双石山 2016年10月10日 事故

 三連休最後の日、昨日は雨模様のため事務所にてホームページの整理、実は新しいホームページを作成しており、仕事関係だけで、ここ半月ほどで三種類のサイトを立ち上げている。

 本日10日は事前の天気予報で「晴れ」となっていた。朝目覚めると快晴ではないがどうにか晴れ模様、朝食後、8時前に日曜出勤の次男を最寄りの駅まで送り、帰宅後、朝ドラを見ながら登山の準備をする。

 準備と言ってもそうたいした事はない、スポーツ飲料2リッターを小さめのペットボトルに入換え、準備してもらったおにぎり、お湯、お菓子を少々、着替え用のティシャツ、タオル、そして樹木図鑑をザックに詰める。カメラ、登山靴は車の中、そうそういつも忘れそうになるのが、手袋、スパッツ、そしてブト用のフェイスネット。

 9時前に自宅を出発し、小谷登山口に到着する。休日にしては車は少なめ、連休のため遠征した人達もいるのかもしれない。車を止め、タイヤに車止め用の石を置いたころ、救急車のサイレンの音、駐車場を通り過ぎ、先で引き返し緊急車両らしく駐車場に停車する。

 何事かと思っていると、次の救急車、そして消防関係車両が次ぎ次に来る。計7台の車両、到着するなり、小谷登山口駐車場に仮説のテーブルが設置される。
 どうやら事故らしい、しかしまだヘリコプターの音は聞こえてこない。登山準備を終え仮説テーブルの所へ行き、話を聞くと第二展望台下にて事故があったらしい。それにしても早い時間での事故、8時過ぎに事故があったことになる。

 今日はハナカガシの確認のため双石谷を登る。友人の金丸氏は仕事のため、単独での登山となる。前回、象の墓場で開花したキバナノホトトギスを確認しており、今日は登山道にて開花が確認できることを期待する。

 双石谷を登り、北壁下を通り、象の墓場に着くと、ヘリコプターの音がうるさいぐらい聞こえてくる。早々にヘリによる救出ポイントの一つになった王家の谷が見える場所に移動する。木々の間にヘリが確認できる、ただしヘリの場所は第二展望台上空でホバリング、その後王家の谷上空に移動してくる、どうやら第二展望台にレスキュー隊員をおろした模様、早々に王家の谷近くに移動するがヘリの風が凄く、岩陰より様子をうかがっていると、その後ヘリは移動し音も聞こえなくなる。

 王家の谷の救出ポイントを見ると一人の登山者が確認できる。どうも救出ヘリを待っている様子、救出ポイントへ下りていき話を聞くと、事故は大岩上、尾根コースの最初のロープカ所上部で起こった模様、8mほどずり落ち、体のあちこちに損傷を負っているらしい。

 尾根コースを登ると、大岩をすぎたすぐ上に救助隊が7名その内2名は服の色が黄色、その中央に滑落した遭難者が横たわっている。近くには一般登山者が三名、隊長らしき方が無線で連絡している。「何かお手伝いすることはありせんか」と声をかけるが、必要ないとの返事、2年前の尾根筋登山道でのNさんの時は、救助隊員が3名で救出ポイント近くまで数名の登山者で手伝った。

 プロが7人もいればかえって邪魔になるだけかもしれない。それに今回は急峻な場所、救出ポイントまでは通常5分で移動できるが、救助隊員は1時間はかかると話している。確かに、大岩前後の登山道は、ロープとはしごが設置してある場所、そこをタンカに乗せた怪我人を運ぶの大変、タンカの上部でロープ確保をしながら少しづつおろしていく事になる。

 救出状況を最後まで確認しようと思ったが、途中まで見守り、その後登山を続ける。大岩で会った川畑さんに第二展望台でまたお会いし、その後山小屋までご一緒する。途中の尾根筋登山道付近でヘリコプターの音がする。救出ポイントでの救出が始まった様子。

 12時15分に山小屋に到着する。北側テラスには先ほど事故現場にいた三人組が休憩中、同席をお願いし昼食の準備をしていると、ヘリコプターが宮崎医大のヘリポートへ向かっているのが目に入る。宮医大までおそらく5分もかからないのではないか、カメラを出しヘリポートを見るとすでに到着し、遭難者をヘリから下ろしストレッチャーで運んでいる。
 遭難者は意識はハッキリとしていた様子だから、大事にはいたらないのではと思いたい。それにしても、確かに尾根コースは急峻なルート、ちょっとした油断が事故につながる場所、皆が気を引き締めて登る場所、何があったのか分からないが、人ごとではなく自分の事として今後とも気をつける事にする。

 山小屋北側テラスで隣に座られた男性の方の足下を見ると、なんと「ゴロー」の靴、以前ステンレス三段はしご下でお会いした方ではないか、今日は王家の谷でお会いした女性の方も「ゴロー」の靴を履いていた。お二方とも巣鴨のお店まで行き足形をとり作ってもらったとの事。ちょっとした事だが、宮崎の双石山に「ゴロー」の靴が三足同じ日に使われていることにちょっとした驚きを感じる。

 山小屋を1時半頃に出発し、第二展望台にてお昼ね、そして14時50分に下山開始、小谷到着が15時35分、駐車場には3台の車がある、その内の一台はスズキのA、遭難された方が救急隊員に話していた車種、息子さんがいると言っていたので、とりに見える事になる。

 双石山での事故現場に立ち会うのは今回で3回目、県内でも山岳事故の多い場所となっている。標高の低さ、そして市内からの近さ、気軽に登山に来る方が多いのは確か、しかし、県道側からの登山ルートは途中から急峻ルートになる。十分な準備をして登山をして欲しい。ただし、それでも事故は起こってしまう。

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救助隊員は小谷登山口に12名、レスキュー7名、
ヘリ乗務員等を含めると、20名以上となる。
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ハナカガシ(双石谷にて)
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第二展望台上空(レスキュー降下)
今回、7名のレスキューが救助にあたっていたが、
何名かは、椿山森林公園でヘリの乗り込んでいるよう。
小谷駐車場を通り過ぎた消防車両は、7台以上だったような気がする。
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王家の谷上空(救出ポイントの確認か?)
しばらく、上空を旋回し、いなくなった。
救助活動に時間がかかると判断し、一旦帰還した模様。
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事故現場
手前に赤ロープが見えるところが「大岩」
遭難場所は大岩横を登り、最初のロープ(短い)カ所の上で、
木に引っかかり、それ以上の滑落を免れた様子、その下まで滑落していたら、
本人からの何らかのサインがない限り、
登山者に気づいてもらえなかった。
尾根コースの東側谷への滑落は、発見が困難。
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足場の悪い所での救助活動は大変、隊員の安全確保にも十分な注意が必要
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救出ポイントへ移動
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担架には安全確保のため上部からロープによる確保が行なわれ、
また救助隊員の確保のためにも別にロープが準備された。
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大岩下のロープカ所
ここから下は勾配がほぼ垂直状態となる、
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ミヤマシキミ 尾根筋登山道にて
別名 億両
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ホソバタブ 尾根筋登山道
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宮医大 ヘリポート (山小屋北テラスより)
持参のデジカメにて撮影 ニコンp900
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キバナノホトトギス
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Commented by ひろパパ at 2016-10-11 11:49 x
詳細なレポートありがとうございます!
師匠も昨日登ってて、ヘリが来たよと言っていて、夜にはまるちゃんから滑落があったとメールが来ました。
どういう事故かよくわかりました…
それにしても、事故多いですね。
私もこれだけ登ってて今の所大怪我してないのは有り難いです。
これからも気を引き締めて登らないといけないですね。
それでこそ、樹木、花、岩…を楽しめるってもんですね。
Commented by mutumi48 at 2016-10-11 19:55
ひろパパさんへ
昨夜の加江田渓谷の台風被害報告いかがでしたか。
次回食事会の時に詳しく話しを聞かせてください。
そういえば、10日に第二展望台で出会った親子三人連れは加江田渓谷から登ってきて、加江田渓谷側に下りると言っていました。
事故、確かに多く感じます。
あまりに気軽に登れる山と勘違いしている人が多くなったのでは、でも遭難者にはベテラン組も含まれていますので、一概には言えませんね。
今回の遭難者の方、怪我の程度がひどかったようです。
かろうじて滑落途中で木に引っかかり、止ったようです。
お互い気をつけて双石山を多いに楽しみましょう。
Commented by おっしー at 2016-10-13 11:29 x
こんにちは。新聞で読んだ事故の記事よりわかりやすかったです!
事故は、いつおこるかわかりませんね!
自分の力を過信することなく、もしもの事を考えて登ります!

しかし、ゴローの靴が3足揃うなんて珍しいですね!ゴロ-の靴を履いている方は、mutさんと銀山さんしかお逢いたことがりません。
女性のゴロ-の靴!みたいなぁ。
Commented by mutumi48 at 2016-10-13 17:44
おっしヘー
事故は起こさないように十分注意しなければいけませんね。
あわせて、事故を起こしてしまった時の、
対応も準備しておかなければいけませんね。

そういえば、おっしーの登山靴、
おニューになったのですよね。
中村町の山小屋だけではなく、
双石山でご一緒できる日を楽しみにしています。
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by mutumi48 | 2016-10-10 17:48 | 双石山へ | Trackback | Comments(4)

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