土曜日の午後に松田氏から電話があり、明日登られるのであればご一緒しませんかとのお誘いがあり、午前中だけでも登ろうと考え、日曜日の朝に再度電話でどうするのか話をすることにした。
今朝、少し遅めの6時40分に起床し、いつものように落葉の掃除を行いながら、空を見上げると雲がかかっている。今朝の天気予報でも午前中は雨は降らないだろうが、午後からはどうも降りそう。
7時30分に松田氏に電話を入れ、今日は登らないことを伝え、ただし、小谷登山口からルンゼ登山口までの県道沿いの樹木をゆっくりと観察することを付け加える。次男を最寄の駅まで送り、その足で双石山に向かい小谷登山口に着いたのは8時5分、一台の車が止まっている。
とりあえず登山靴に履き替え、持参したカメラ、そして車にあったペットボトルをポケットに入れ、ルンゼ登山口をめざして県道を歩く。今年になって気づいた県道沿いにたくさん自生しているハドノキとイワガネの雑種である「ハドイワガネ」を観察しながらルンゼ登山口に向かう。
ハドノキは常緑樹でイワガネは落葉樹、葉の形状はソックリ、ただし2月現在で葉を付けているのは常緑樹のハドノキ、ただしハドノキと思ってよく見ると、実のつき方が違うものがあり、それが「ハドイワガネ」と呼ばれている。
枝に直接、実を付けているハドノキとは違い、枝と実との間に柄のあるのが「ハドイワガネ」、県道を歩くとハドノキもあるが、意外にハドイワガネが多い。
ルンゼ登山口までの県道は数カ所のカーブがあり、山側に切れ込むカーブの場所は谷になっており、旧道が山側に入り込んでいる所もある。そのうちの一つでゴロタ石が一面を覆っている水無川に大きな樹木があり、以前から気になっていた。
山中で大きな樹木といえば、タブノキ、スダジイ、イスノキ、そして数は少ないがクスノキがある。ここの木はクスノキで胸高さで直径は1,3mはあり、今まで山中で出会ったクスノキでは最も大きなものである。
ルンゼ登山口は双石山の登山ルートでは正式には紹介されていない。現地には登山口の案内も無く、登山ルートは双石谷の東側を登ることになる。目印は県道近くに作られた小さな砂防ダムとなり、入り口をハドイワガネが覆っており、その下から山に入る。
双石谷に入るとすぐに自然林となり、小谷登山道の杉林とは違い、照葉樹林帯を登ることになり、植生が豊かで、樹木に興味のある人には楽しめるルートとなっている。
またルート途中には石を切り出した跡が確認できる場所があり、以前切り出された石の使い方について山友と色々と話をしたことがあり、結果は地産地消ということで解決した。
ルンゼ登山口近くで携帯に電話が入り、でるとオッシーから、小谷登山口駐車場に私の車が止まっていたため、電話を入れてくれた。
オッシーは象の墓場にて岩登りの練習をするとのこと、私は「今日は山には入らない」と返事をしたが、県道を下りながら墓場のどこで練習をするのかが気になる。
またオッシー1人で練習することはまずなく、指導とサポートのため金丸氏と川越氏がついているはず、墓場で48年ほど前の光景を目にすることができるのではと考えると、これは墓場までは登らなければいけないと思い始める。
小谷登山口に下りてくると、マフラーをタオルに変え、ジャケット下に来ていたベストを脱ぎ、カメラケースをかけ、いざ登ろうとした時に、一台の車が県道で止まる。
運転されていた斎藤氏から「九平登山口から登ります」私からは「象の墓場往復になります」と言葉を交わす。
登山開始が9時48分、小谷登山道分岐に着いたのが10時2分、ここまで15分弱、途中の樹木観察は一切なくひたすら登る。
ただし「親父の木」下にて先日鎌田さんから教えていただいたツルウメモドキの実を再度確認する。ツルウメモドキは落葉樹のため葉はすでに落ちているが、上の方を観察する、親父の木(イスノキ)に絡みついて伸びているつる性木本が見える。
カメラでズームアップすると、今まで幼木でしか確認していないキダチニンドウの葉が見える。キダチニンドウは落葉樹のような質感をしている半常緑樹、対生の歯柄が枝をまたいでつながって見えるのが特徴の一つとなっている。
ステンレス三段ハシゴ下に着いたのが10時13分、ちょうどハシゴを一人の男性が下りてきて墓場方面に向かわれたので、後ろから声をかけると、登る途中で数人のグループの方から岩登りの練習を象の墓場ですると聞き、下山途中に見に行くとのこと。
その方は双石山にはよく登っているが墓場に行くのは初めてということで、途中にあるナギ林の「双石山の妖精・ナギちゃん」を紹介する。この方は東氏、お話を聞くと毎週1回ボルダリングの練習をしており、また仕事上で関係のある会社のスタッフ、私の事務所の担当者は別の方だが、県北担当ということで、実質的に今まで数回はお世話になっている。
東氏と一緒に墓場に下りて行くと、そこには6人の登山者たちが、「バランス」と呼んでいた墓場内の初心者向けの岩場に取り付いている。金丸氏、清水氏、星倉氏、オッシーがバランスの上に、そして川越氏と落合氏がバランスの下に立っている。
上では金丸氏が確保のための準備をしており、それが終わると他三人が懸垂下降、そしてまずはバランスルートにそれぞれが挑戦する。
三人ともボルダリング経験者、ロープで安全確保がしてあるせいか、スームーズに登り切るが、見ていて、48年前にバランスルートに取り組んでいた人達とは何かが違う。
星倉氏とオッシー2人は岩登専用のクライマーシューズを履いており、一人は通常のトレッキングシューズ、クライマーシューズの登り易さとロープでの安全確保のためか、昔感じていた緊張感が全くなかったことが、何か違うと思った原因かもしれない。
練習の合間にオッシーが「節分の豆まきをします」とバランスの上から落花生をまく。その姿は「象の墓場の主」その時に墓場東側から山本さんがお一人でみえる。山頂往復し岩登りの練習が気になり墓場に立ち寄られた。
山本さんより、第二展望台にて私のことを誰かに聞かれたとのこと、話の内容から川畑氏も登られていたらしい。
バランスでの練習が終わり、墓場北壁のトラバース、そして南側のクラック場と場所が移った頃、浅部氏が次男と二人でルンゼ側から墓場におりてくる。
浅部氏と双石山で会うのは久しぶり、2015年11月15日に山小屋北テラスのテーブルベンチでお会いしたのが最初の出会い。浅部氏を金丸氏と川越氏に紹介する。
今年初めの花切山での親子の遭難事故の時には浅部氏も地元消防団の一人として救助にあたっていた。2回目となる花切山の男性単独遭難事故の時には、消防関係者は夜間活動ができず、金丸氏、川越氏、今日は登っていないが渡辺氏が、警察官6名と一緒に捜索し深夜であったが無事に救助している。
双石山・トクソ山系での緊急事態の時には対応されている方々、すでに面識があるのではとも思ったが、あえて紹介させていただいた。
岩登りのメンバーが荷物の整理をしている11時半頃に、松田氏と菊池氏がルンゼ側から墓場に下りてくる。朝電話で登ることを断った松田氏には墓場に登って来た経緯をお話しする。
菊池氏とは今年になってお会いすることがよくある。足元を見ると菊池氏もゴローの登山靴を愛用されていた。これで双石山でお会いするゴローの登山靴愛用者は私を含め6名となる。
松田氏と菊池氏は双石谷を下りられるということで、下山途中近くにあるルンゼ遭難碑について説明する。
11時前に岩登りメンバーと一緒に下山する。小谷登山口に下りてきたのは12時20分、朝出掛けに11時までには自宅に帰るからと話してきたが、すでに1時間以上も過ぎてしまった。
今日は母親の85才の誕生日、夕食を一緒にとることにしている。