昨日は、午前中に完成間近の宮崎市内のA邸現場の打合せ、午後は現在基本計画進行中の建築主夫妻をA邸現場に案内し、空間のイメージを確認していただく。A邸は来週末には施工者から引渡しを受け、すぐに植栽工事に入り、2月下旬には引っ越しを予定されている。
A邸は古くからの住宅地に比較的ゆとりのある敷地に控えめにデザインした素敵な家、昨年完成した江南の家もそうだが、建築主家族の生活スタイルを上手に表現できたと自負している。
A邸での打合せが終わり、夕方事務所に戻ると2通のレターパックが届いている。送り主は東京在住の従兄弟、私の二つ上になる。彼は地質と化石の研究者で、博物館退職後にたて続けに本を出版している。2015年に「地質調査入門」、2016年に「はじめての古生物学」、2017年に「駿河湾の形成」、そして昨年に「モンゴル・ゴビに恐竜化石を求めて」、地質調査入門はすでに持っており、今回は他の三冊が送られてきた。
以前、従兄弟に双石山の秘宝「恐竜の牙」の写真を送り鑑定をお願いしたことがあり、先月は静観の間に見られる「波の化石」の写真を送り鑑定をお願いしている。以前から加江田渓谷と双石山の地質に興味を持っているようで、昨年山小屋でお会いした地質の専門家で、NHKの「ブラタモリ」で昨年日南海岸を案内した赤崎氏は従兄弟のことを下の名前で呼んでいた。
従兄弟は、今年3月下旬に来県を予定しているようで、その時には双石山を一緒に登ることになりそう、ぜひ赤崎氏にも声をかけ、地質的な方面より双石山の成り立ちについて話を聞いてみようと考えている。
今朝8時に自宅を出発し、次男を最寄駅まで送り、小谷登山口に着いたのは8時10分、駐車場には2台の車が止まっている。小谷登山口を見ると、登山口のすぐ上にある小さな砂防ダムの上に杉が谷をまたぐように数本倒されている。いかにも立ち入りできませんよという倒し方である。小谷右側上部を見ると杉の木立の間に今まで見えなかった山の岩肌が見えている。県道沿いの杉は残されているが中の方はすでに伐採がはじまっている。
準備をしていると金丸君の車が到着する、彼は3週間ぶりの登山、今日のルートは県道をルンゼ登山口まで歩き、双石谷ルートで象の墓場をめざし、その後は王家の谷に入り、谷コースを詰め第二展望台、そして尾根筋登山道を歩き山小屋をめざす。下山はステンレス三段ハシゴを下り、小谷登山道分岐点まで下り、その後は塩鶴登山道に一旦上がり、すでに皆伐された塩鶴登山道を下りて、県道を歩き小谷登山口駐車場をめざす。
県道の途中で先週確認したクスの巨木を金丸君に紹介するため、県道山側にある、ごろた石でおおわれた水無し川に入り足元を気をつけながら、正面奥に見えるクスノキに近づく。大きさ確認のため金丸君にはクスノキの横に立っていただき写真を撮る。
ルンゼ登山口の手前にある駐車場に近づくと、6台の車が止まっており、一台は岩川氏の車で、すでに登られている。その向こうで数人の登山者が準備中、お一人は県道を歩いている時に車の中から声をかけられた菊池氏、先週も象の墓場にてお会いしている方で、今年に入ってからすでに3回は山中でお会いしている。
他4人は同じグループで男性お一人、女性三人、男性は1年半ぶりにお会いする矢藤氏、女性は常連の蛭川さんと山本さん、そして以前数回お会いしたことのある大住さん、四人で行者コースを歩き途中で山小屋直登ルートを登られるとのこと「山小屋でまたお会いしましょう」と別れる。
8時50分過ぎに県道沿いのハドノキの下を双石谷に入る。すぐに砂防ダムが三ヶ所あり、ルートは双石谷の左側となっている。道なりに進むと杉の人工林となるが、すぐに照葉樹林帯の自然林の中を登ることになる。
このルートには魅力的な樹木が立て続けて出てくる。高木で紹介すると、まずハナカガシと思っているカシノキ、ただし昨年末より、樹皮と葉形状を見ながら、他のカシノキではないかと悩んでおり、まだ結論を出していない。
近くにこの木が数本あり、その間に真っ黒な樹皮のリュウキュウマメガキ、大きなタブノキ、根元部分がダイナミックな形状となったチシャノキ、樹間を天に昇る龍の姿に見えるクスドイゲがある。
クスドイゲのすぐ上に正面に大きな岩があり、下の方は大きくえぐれており雨が降った時には雨やどりとして使えるくらいの大きさがある。
ここの周辺の岩には、石を切り出した痕跡を見ることができる。ダイナマイトを入れ込むために開けられた穴の側面であったり、石を割るために一定間隔で開けられた穴などがある。また切り出され石の破片が随所に見られる。
登山道わきに直径30cm弱の、樹皮に特徴のあるイチイガシがあり、その後親木と思われる巨木もあり、しばらくの間イチイガシを数本確認することができる。
途中登山道正面の大きな岩の下の方に窪みがあり、手前には枝で作られて面格子状のものが立てかけてある。オッシー、ひろパパさんのブログで見たもの、プログではこの中にそれぞれが入っている写真が紹介してあった。
対岸樹木の葉の上に赤みがかった蕾がみえ、カメラでズームアップするとホソバタブの花芽が確認できる。同じホソバタブでも場所により、芽吹きの時期が異なる。見かけたホソバタブの開花は早そう。
登山道途中で見かけた他の樹木で比較的大きなものをあげると、カンザブロウ、姫ユズリハ、イヌビワ、ヤマビワ、サザンカ、バリバリノキ、コバンモチ、タラヨウ、カラスザンショウ、ヤブツバキ、バクチノキ、カカツガユ、ショウベンノキ、カゴノキ、イスノキ、エノキ、アカガシ等、他につる性の直径20cmほどのカギカズラ、12cmほどのウドカズラがあり、低木を含めるとどのくらいの種類があるのか、できれば、今後じっくりと観察したい。
登山道を進むと、長さが10m以上のナメ岩があり、岩の右側の踏み跡を登ると、左手にイズセンリョウが白い花を付けている。イズセンリョウは山中至る所で見ることができる常緑の低木、さらに進むと登山道脇に立っていた大きなイイギリが途中から折れ、下の登山道に倒れかかっている。
登山道がふさがれたためルートが途中で変更になっており、補助ロープが設置してあるが、急峻なすべりやすい場所がルートとなっている。イイギリを過ぎると今まで見かけなかったマテバシイを見かける。マテバシイは尾根筋登山道周辺にたくさん見かけ、ある程度の標高からマテバシイは自生しているのではないかと思われる。
ルンゼトンネル手前には岩肌をトラバースする場所があり、真近には谷に倒れかかった古木が橋のようにかかっている。決して渡れなくなはないが、もし落ちたら高さはないが間違いなく怪我をする。ここを過ぎ、正面の岩を右側に北壁の下沿いに登ると、ルンゼトンネルの岩が上に見えてくる。
この周辺は大きな岩の上に根を下ろしたカゴノキ、イスノキ、スダジイなどの巨木を見ることができる。岩の上に腰掛けた巨木は足を伸ばすように近くの地面に根を下ろしている。
ルンゼトンネルは通らずに横に倒れているタブノキ沿いに上に登りいつものようにリックを下ろし休憩する。ここでは、毎回少し離れたタブノキのオッシーに挨拶する。ふくよかな顔と手足、そして左手を頭の横にあげ、招き猫のようにこちらを見つめている。
ルンゼトンネルを左に回り込み北壁下にアプローチする。ここではアブミルートに打ち込まれた錆びたボルトを見上げ、その高低差にはいつものことだが圧倒される。
コウモリトンネル手前のロープヶ所に、かけられたロープについて、金丸君から新しくなったのではと、昨年数回は使っているルート、ロープが新しくなったのかどうか、よく覚えていない。ただし数年前にロープが変わったことは確かなこと。その時のロープなのかどうかよく覚えていない。
コウモリトンネルにはコウモリは一匹もいない。二人で覗きながらコウモリの糞の話になる。以前中を通ったことはあるが、地面にたくさんの糞が落ちていた記憶はない。逆さまにぶら下がった状態でウンチができるか、また巣となる場所で糞をするものなのか、たわいのない話が続く。
静観の間手前に12段のケルンが積んである。数人のブログで紹介してあるケルン、デストロイアーにより壊されてはその都度、繰り返し作り直されている。
象の墓場に下り、先週の岩登り練習の状況について金丸君に説明する。墓場の東側アプローチのロープヶ所に近づいた時、岩川氏が岩の上に姿を出される。今日はお一人、奥さんと一緒の時を年に数回お見かけし、立ち話だけれどもお話をすることがある。岩川氏、前回は象の墓場へのアプローチに昔からの直登ルートを登られたとのこと、昔も今もそうだが、最後のステップが足が届かずに難儀されたらしい。
ロープヶ所を下り、王家の谷を見下ろすと、ルート上で休憩されている川畑氏を見つけ「川畑さん」と叫ぶ。川畑氏によると象の墓場方面から私達の話し声が聞こえていたとのこと、川畑氏は小谷登山口駐車場に車を止め塩鶴登山口まで県道を歩き鳥居をくぐり入山し、皆伐された塩鶴登山道を登ってきた。王家の谷にて川畑氏と合流、王家の谷より樹間に大森岳の綺麗な三角形だけが望める。
その後は谷コースを三人で登り、途中、以前数回お会いした下山中の女性の方とお会いし立ち話、その後谷コース最大の難所のロープ箇所を登り大タブノキ広場にて休憩する。
その後に出てくる二つのロープヶ所の間にて長友さんとすれ違う。長友さんは今年の夏に屋久島遠征を計画されているらしい、目的地を縄文杉としているようで、川畑氏より往復12時間はかかるとのアドバイス、一泊するとなると山小屋利用でも、寝袋、食料、燃料、コッフェルと荷物が増えてしまう。どうするのかを考えるだけでも楽しそう。
第二展望台到着は11時45分、空気が澄んで下り、宮崎市街、尾鈴山系から県央の稜線まで望める。テーブルベンチにて休憩、金丸君よりお菓子をいただくが、いつもより多く歩いているせいか大変美味しい。
尾根筋登山道を進んでいると後ろから河野さんに追いつかれ、追い抜かれる。河野さんは、前回登山中にトレッキングシューズのワイヤーが切れ不自由をしたとの話、非常備品としてビニール紐の必要性を感じたと話された。
山小屋到着が12時15分、中には矢藤氏、蛭川さん、山本さん、大住さんが火のない囲炉裏を囲んで食事中、矢藤さんの話だと山小屋直登ルートではなく、山頂直登ルートにより尾根筋に登られたとのこと。
囲炉裏に火を起こし、食事の準備、金丸君より猪肉・餅の提供あり、持参したサツマイモと一緒に網の上にて焼く。矢藤氏らの4人は先に下山され、その後、大沢氏が入って見え、板の間のテーブルにてランチをとられる。大沢氏は師匠のことを下の名前で呼ばれる。市役所勤務時代、師匠は先輩になるという。
女性お一人の方が入って見え、囲炉裏端にてランチをとられる。この方は以前にもお会いしているが名前はお聞きしていない。焼きあがった猪肉を食べていただく。
今回も3人で囲炉裏の火を囲みまったりとして時間を過ごし、途中数組の登山者が山小屋に出入りされる。下山は15時00分、囲炉裏の火を始末し板の間と土間を掃除して山小屋を後にする。途中、第二展望台にてリックをおろし休憩する。午前中と比べると尾鈴山から伸びる県央の稜線が見えにくくなっている。
谷コースを下山し、ステンレス三段ハシゴを下り、親父の木経由で小谷登山道分岐点から塩鶴登山道に上がり、見晴らしの良い塩鶴登山道を下りる。
途中皆伐され杉の苗木が植えられた場所には多数のタラノキの幼木があり、先端には小さな芽吹きが見られる。2月に入りこのルートを多くの人が登っているのでタラノキに気がついている登山者はたくさんいるはず、タイミングよく芽吹きに出会えれば山菜の王様を堪能できるのだが。
塩鶴登山口に下りたのが、16時30分過ぎ、小谷登山口駐車場まで歩き、16時45分前にようやく車のところに戻ってくる。17時近くとなるとさすがに他の車はない。