2月20日に山小屋で西都山岳会のA氏との出会いがあり、メンバーの半数がクライマーであり、拠点である比叡山の近くに専用の山小屋があるという話を聞き興味を持った。その日の夜にクライマーというキーワードで金丸氏へ連絡し、何かご存知であれば教えて欲しいとお願いした。その時は電話で会の主力メンバーのことについて少し教えていただき、後日金丸氏から西都山岳会の資料を預かったからこれを読んでみてはと連絡があり3月6日に双石山下山後に資料を預かった。
資料は会発「麓屋通信NO47 2017.03.01」で西都山岳会創立記念号として出されたもので、関係者からの60周年へのメッセージ、会員からのメッセージ、西都山岳会が昭和63年から平成13年まで取り組んだ西都市周辺の山開きについて、そしてみんなで取組んだ九州百名山への挑戦など15項目のサプタイトルからなる多彩な内容でその活動の充実ぶりが窺える。
資料を預かってから2週間がたち、そろそろ返却をしなければいけないと思っていた。今日は双石山の山開きが行われる日で神事前に会場に行けば金丸氏に会えるのではと思い小谷登山口に行く前に丸野登山口に向かう。7時45分に玄関を出ると、自宅駐車場のヤマザクラが満開となっている。ヤマザクラの花は葉芽と同時に開くので少し離れてみると木全体がピンクがかって見える。自宅から数メートの所にある宮崎大学の生垣脇のソメイヨシノも満開に近い、こちらは花だけが付いており色合いとしては限りなく白に近い薄緑色をしている。毎年のことだがこの対比を楽しんでいる。
8時00分に丸野登山口に着くとたくさんの車が止まっている。車を止めると金丸氏の姿があり早々に資料を手配していただいたお礼を伝え返却する。私は今回の山開きには参加しない。山開きにはルートが三つあり、一つは加江田渓谷の散策、他の二つは目的地を山小屋としたルートであり正直加江田渓谷側から双石山の稜線に登るルートは私にはきつい。
県道27号線沿いにある登山口(塩鶴・小谷・ルンゼ・九平)から双石山に登るルートは稜線に向かってひたすら登ることになるが、加江田渓谷側からのルートは途中にある枝尾根の上り下りで距離も長く、今まで数回チャレンジしたことがあるが私の体力では少々きつく感じる。
8時20分過ぎに小谷登山口に到着、駐車場には5台の車が止まっておりいつもと比べると少なく常連さん達の多くが山開きに参加している。昨日ラインで「新機材を試すために登ります」と連絡をいただいてた後藤氏はすでに到着し準備も終わっている。準備をしていると桜川さんが到着し挨拶をかわす。
8時40分過ぎに空地から登山スタート、ここからは三角形をした北壁が望め、その下には満開のヤマザクラと、すでに花が散り赤身を帯びた若葉のヤマザクラが常緑樹林帯に彩りを与えている。空地からのルートは登山道ではなく杉の皆伐時に作られた重機道で勾配は緩やかで道幅も広く、周りの景色を楽しみながら登ることができる。一つの枝尾根を過ぎると一旦小谷に下り一般登山道に合流する。
そのまま重機道を進むこともできるが今回は登山道を登り足元の春の息吹を楽しむ。まだまだ花は少ないがキランソウ、ツボスミレ、キジムシロが花を付けている。真っ直ぐと伸びた幼木の先に付いた赤く小さなアカメガシワの若葉はその存在感で周囲を圧倒している。そして同じ枝にたくさん付いたイワガネの若葉のシワシワの主脈と側脈は思わず触りたくなる。波打つホソバタブの枝先には赤い芽鱗が元から先へと白身を帯びるグラデーションが魅力的である。
スタートから10分ほどで親子岩横の急登を登り一旦重機道に合流する。毎回のことだがここで犬岩に挨拶し小休止、小谷側に昨年から一本のセイタカアワダチソウが枝先の黄色い花から白い綿毛状に姿を変えてそのままの姿で立ち尽くしており思わずズームアップでパチリ撮る。
ここからカエル岩までは小谷ルートの中では最も急登となるが、今日のヒンヤリとした空気のためか足が上へ上へと進む。カエル岩の喉仏を触り登山の安全を祈願する。ここで小谷側の斜面にマムシグサを見つけパチリ撮る。
小谷登山道分岐点に9時10分に到着、今日の天気予報は曇りだったが青空が広がっており県央の尾鈴山が望める。分岐点にある人の背丈ほどの岩の谷側に白いビニルシートで覆われた何かがある。周囲をロープで縛りシートが風で剥がれないようにしてある。一見すると、近頃ネットでみる海外ドラマの影響なのか白い布で覆われた棺に見える。近づき地面すれすれまで覆われたシートの一部をめくるとそこには板の小口が見える。もしかしてイワヤ神社の屋根補修のための野地板なのか、または以前から言われていた山小屋の雨漏り補修のためのものか、いずれにしても結構な枚数があり、誰がどのようにここまで持ち上げたのか興味深い。
イワヤ神社方面に進み登山道脇のアオキの花芽、そしてイズセンリョウの花芽をパチリパチリと撮りながら上る。後藤氏に岩肌をバックにしたサツマイナモリの撮影をお願いする。乾き白くなった岩肌と緑鮮やかな苔蒸した岩肌が隣合わせとなりその境に咲くサツマイナモリ、撮りようによっては面白い写真になりそう、私が撮るのと後藤氏が撮るのでは撮影されたものが全く別物に仕上がる。
1人先に切株展望所へ行き岩の上に立つ、ここからの眺めは山中で最も開放感がある。いつもだと岩に腰掛けるのだが今日は岩肌が乾いており滑る心配はなさそう。さほどの冷たさはないが肌を触る風が気持ち良い。
ここから、先ほど休んだ小谷登山道分岐点が見下ろせ、その向こうには杉林をバックに満開のヤマザクラが見え、思わずカメラを取り出しパチリ撮る。
イワヤ神社で今日の安全なる登山を祈願し、天狗岩下をトラバースしてステンレス三段梯子から王家の谷に入る。いつもの岩の上四兄弟にて小休止、ここから見える化石谷では男性4人がリックを降ろし休憩しておりガスコンロでお湯を沸かしている。
小岩に行ったことのない後藤氏を案内するため尾根コースを選択、分岐点先のステンレス梯子の廻りは群生したサツマイナモリが満開状態、梯子、そしてロープカ所を上り小岩へ、年に数回は訪れる場所で、これからの季節は1人でゆっくりしたい時には最高の場所である。今の時期は小岩から象の墓場方面をみると墓場北岩壁上部の三角岩の横に満開のヤマザクラ を見ることができる。山中で見るヤマザクラはほとんどが見上げるアングルとなり、横から間近に見えるヤマザクラは少ない。
小岩は空池の南岩壁の天辺になり、その上に立つと高度感は半端ない、立つと表現したが実際は足を投げ出し背中側を重心にして座ることしかできない。ここから8月中旬にカラスザンショウの開花を見ることができる。緑の絨毯の中に白い花が遠目には泡吹のように湧き立つ。毎年楽しみにしていた象の墓場方面のヤマザクラは満開だが、その向こうには高速道路擁壁のコンクリートの白い面があり残念、景色が変わってしまった。
大岩下をスルーし尾根コースを登る、ここは谷コースと違いルートの半分以上は四つん這いとなって、木の根やロープを掴んで登ることになる。上半身の筋肉を鍛えるのには良い場所かもしれない。そういえば早朝登山常連の杉山氏と加藤氏は毎朝この尾根コースをピストンし途中の大岩でロープでの登り降りを数回繰り返されている。
10時10分過ぎに第二展望台に到着する。広い青空に低い白い雲がフンワリと所々に浮かんでいる。わずかに霞んではいるが県央の稜線、日向灘の水平線が望める。左側のタブノキに花芽なのか大きな蕾がたくさん付いている。右側のアラカシには新たに伸びた枝先には今にも開きそうに葉芽がたくさん付いている。
東側に見える小高いピークが第三展望台、ここから5分とかからない。途中の登山道脇の斜面に二股にわかれた大きなヤマザクラがあり満開、下から見上げると緑の中ポッカリと開いた空間に白い花弁と青空が見えパチリ撮る。第三展望台は東から北東にかけて展望が広がっている。第二展望台よりも海が見えるが展望台周辺の樹木が育ち徐々に眺めが限られている。
第二展望台南側の巻道を通り尾根筋登山道を山小屋をめざして進み10時50分に山小屋に到着する。囲炉裏は前回後片付けをしたままの状態で土間板間共に片付いている。リックとカメラバックを定位置に置き、ランチボックスとデザートのサツマイモを取り出し、囲炉裏に火を起こす準備をする。
まずは囲炉裏の耐火レンガを全て外に出す、囲炉裏内の縁に置いておくと後始末の時に熱くて持つことができない。次は囲炉裏の灰床の中央をスコップでバケツ一杯分掘り起こし、そこに集めてきた杉の枯葉を敷き詰め、その上に小枝、枝、薪と並べ杉の枯葉に火をつけると全体に火が回る。合わせて外の雨水タンクからバケツ一杯分の水を汲み囲炉裏横に置く。
サツマイモを焼くには周囲のコンクリートブロックの高さが低いため、火からの高さ確保のため耐火レンガをブロックの上に4個置き、その上に鉄筋で作られたフレームをのせてその上に鉄網を置く。
今日のサツマイモは新富町産の紅はるか7個で、オッシーが差し入れてくれたたくさんの銀杏があり、鉄網をずらし横に鉄板をのせてその上で銀杏を炙る。今日のランチは昨夜次男が作ったスパゲティーの残り、今朝自宅台所でホイルにまずオリーブオイルを塗り、その上にスライスした玉ねぎ、そしてスパゲティー、そしてスライスチーズをのせ、ホイルで全体を包んでいる。それを鉄板にのせて温める。
山開きの参加者が山小屋に到着したのは12時00分過ぎ、それまで2組の登山者たちと囲炉裏を囲むことになる。まずは西国原氏4人グループ、次はいつもは奥様と2人で登られているという松田氏と職場のスタッフ(吉田氏・土田氏・福田氏)の4人組でみなさん苗字に「田」が付いている。
山開きのメンバーが到着、知り合いの方(加藤氏・金丸氏・小山さん・山本氏・修氏・岩倉さん)も数人いるが初めての人が多い。山小屋でランチをとられた方は数人で、ほとんどの方は外のベンチでランチをとられる。
ツアー参加者がランチを終え出発間際に1人の男性が小屋に「柴さん」と入ってくる。佐藤氏ではないか、まさか山でお会いするとは思いもよらなかった。佐藤氏は県庁OBで何かとお世話になった方、私の次男が生まれる前に建築士会で私が企画した香港研修ツアーに参加された方で、建築士会の活動や私の南郷村や諸塚村での取組にも興味を持ってくれた。「日曜日、雨が降っていなければ山小屋にいますからぜひ来てください」と声をかけてわかれる。
オッシー が17時00分から自宅で兄さんとの草刈りの約束があるということで、14時00分に囲炉裏の始末を行い、オッシー 、菊池氏、桜川さん、白石さんと一緒に10分後に下山をスタートする。途中第二展望台に立ち寄り小休止、谷コースを選択し化石谷、そして小谷登山道分岐点で小休止、ここでオッシー より「白い棺桶」の正体について説明がある。
昨日(土曜日)山の会のメンバーが50名ほど集まり皆で担ぎ上げたらしい。ここからは訪れた登山者が持てる分を山小屋まで運んでもらうことになるらしい。なるほど、小谷登山口に置いていたら残念なことだが、まとめて車で持っていく輩がいるかもしれない。そこで皆でとりあえず小谷登山道分岐点まで担ぎ上げたようだ。
以前姥嶽神社の宮司さんから聞いた話がある。それは偶然に神社でお会いした宮司さんに二の鳥居からの山道の階段が登りにくいと伝えた時のことで、本当はきちんと測量し必要な分を県道脇の「一の鳥居」近くに置いていたところたくさん盗まれてしまい、残った分で階段を作ったため登りにくいものになってしまった。
小谷登山道分岐点を出発しカエル岩手前で登ってくる森本氏と出会い挨拶を交わす。森本氏はいつもこの時間に登り山頂から九平登山口に下りて県道27号線を歩いて小谷登山口まで戻られている。16時00分に小谷登山口に下山、今日の出会いと無事なる登山に感謝し山に一礼する。
来週は、土曜日に五ヶ瀬町での研修会開催のため高千穂町に宿泊することになり、27日(日曜日)の山小屋ヤキイモはお休みします。
空地より
ホソバタブ

アカメガシワ

イワガネ

カラスザンショウ ?

セイタカアワダチソウ

マムシグサ

アオキ

イズセンリョウ

切株展望所より


イワヤ神社 桜開花

イワヤ神社 ニワトコ撮影

バイカアマチャ 根周り

小岩

第二展望台より

タブノキ

アラカシ

囲炉裏準備前

山小屋北側テラスより

サツマイナモリの群生



キジムシロ

▼ 後藤氏撮影 ▼


