高鍋町 KO-H 新築
2022年 07月 29日


2011年12月KO邸(高鍋の町屋)は建物部分が完成しました。正面そして実家に面する南側庭部分の植栽は年明けの3月に完成予定です。
現在、道路側の客土が露出している部分は、軒内(未施工)以外は、コグマ笹によるグランドカバーとなり、場所によっては生垣そして低木が一緒に植えられる予定です。特に舗装と建物との取合い部分は、線状に植栽され、固い物同士の間をやわらかい緑でつなぐことになります。
建物の南側には奥行きのある実家の庭があり、ここも居間からのアクセスそして眺めを前提に手を入れていただく予定となっています。また隣接して公園、神社の杜がありますので、居間からは緑の風景が、庭先から空にとけ込むまでつながることになります。
はじめて敷地に立ったのは2010年10月11日、最初の打合せの時でした。快晴の中、敷地内にはたくさんのマリーゴールドが黄金色の花をつけていました。道路に面して4台分の駐車スペースがあり、お花畑との間には藤の木が生垣を作っており、藤の葉の間に花が見え隠れしており、まち中に一つの風景を作っていました。
道路に面して3台分の駐車スペースが前提条件でしたので、ちょうど藤の生垣があった所から建物が建つことになりました。当時、藤と季節ごとに花開く草花による生垣の変わりとなる、建物の表情について想いを凝らしたことが思い出されます。(柴睦巳)


KOさんとの出会いは2010年3月中旬に諸塚村で行われた「森の感謝祭」です。毎年この月に行われており、私も第一回目から産直住宅の取組をパネル・模型等で紹介しています。私のコーナーに来ていただき、熱心にバネルを見ていただきました。村内の産直住宅の担当者からもお話を聞かれ、8月下旬に事務所にお見えになりました。その後、宮崎市内のUEK邸、HIG邸を見学していただき、10月から計画をスタートする事になりました。
敷地は高鍋町内、ご主人の実家に隣接した場所です。町内は現在道路の拡幅工事,それに伴う建物の建替え等が行われています。本来は県内でも歴史ある城下町の一つであり、高鍋城跡、家老屋敷黒木家住宅等整備されている場所はありますが、町中の建物はその姿を変えつつあります。時代とともに変化するのは、ある意味仕方のない事なのかもしれません。ただその地域の記憶や特性を抜きにした経済性優先の整備のやり方にはおおいに疑問を感じてしまいます。
KO邸の計画にあたって、敷地形状と要求される諸室内容により建物は総2階建とし、前面道路に面する北側に駐車スペースと駐輪場を設置し、外観としては屋根形状を平入とし、1階部分にも下屋を設置し、道路側壁面に町屋をイメージさせる面格子を町並みの記憶要素として1・2階共に設置する事にしました。
過去の様式を参考にする事には賛否両論あるかとは思いますが、建物が記憶の風景の一部としてとけ込んでくれる事と願っています。新たな時代に向かう時に、現状と前を見て進むのも一つの方法ですが、現状から以前の事柄を確認しながら前に進む事も大切だと思っています。(柴睦巳)
□北東面
前面道路より東面も見えるため1階の開口部には北面と同じ縦の木格子を設置しています。2階は採光を優先して開口部には格子を設置していません。当初は均等長さの格子で考えていたのですが、最終的には親子格子に変更しました。シンプルな外観にリズムがでて良い立面になりました。
□ 動線計画
台所から洗面脱衣、浴室、干場と水廻りを1箇所にまとめています。家事は毎日の事ですので、できるだけ能率良く使いやすくなるようにしています。
また、買い物からの帰宅時に居間を通らずに台所に直接出入りできるように部屋の配置をしており、融通性のある動線を計画段階から考えています。
□ 子供室
将来、家族構成の変化に対応出来るように子供部屋を3つ確保できる状況を。と要望がありました。その為、子供室2を2つに間仕切れるように出入り口を2つ設けています。また、子供達の独立時には子供室1と子供室2を1つの部屋として使えるように続き間で子供室を配置しています。
□ 北面(写真 上3枚)
左から上棟時、真ん中が屋根に瓦が乗ったところ、右が下屋部分に瓦が乗り外壁断熱材を敷込み後、防水シートを張ったところです。屋根はわずかですが、ムクリをつけています。
□ 3D(北面)
全面道路からみたところです。手前の小屋が駐輪場で、駐輪場の向い側が住宅への玄関となります。住宅の北側一面に縦の木格子を設置しているのに対して駐輪場は横の木格子をつけています。道路から見た時に住宅と駐輪場の対比が上手くバランス良く見えるのではないでしょうか。屋根には住宅と同じ瓦を乗せています。
□ 原寸模型(写真 右)
ムクリを検討するために棟梁が原寸図を書いていました。少しでも軒先が低くなるようにムクリの曲がり方を打合せして決めて行きました。
□ 屋根工事(写真 右下)
屋根の野地板を張っているところです。ムクリが正確にでるように板を乱に張っていきます。
□ 金丸棟梁(写真 右下)
今回の現場で担当していただくのが3件目になります。金丸棟梁はじめ大工達は仕事の効率が良く、現場の進み具合が遅れることなく、良い仕事をしてくれます。
□ 建築計画
高鍋町は今だに多くはないですが、城下町の面影を感じる町家の街並が残っており、今回の計画敷地はその一角に近接しています。敷地周辺を歩くと道路面に対して木造の門を設けた家があったり、道路に近接する開口部には木格子を設置していたりと、何かなつかしい雰囲気をもった街並がわずかですが、残っています。今回のKO邸ではその古い街並の雰囲気を壊さず上手く、街の風景として溶け込み、この土地だからできる家作りを提案させて頂きました。
□ 3D 食堂・居間
階段、通路、書斎、和室を含めて一つの大空間ができあがりました。また、吹抜けやテラスを含めてさらに開放感のある生活の場になるのではないでしょうか。
(葛迫和人)











































完成模型









