宮崎市 阿波岐原の家(二世帯住宅) 新築

宮崎市 阿波岐原の家(二世帯住宅)

竣工年月 2000年2月
建築場所 宮崎市
敷地面積 321.00㎡
構造規模 木造2階
床面積  182.2㎡
家族構成 両親+夫婦+子供3人
宮崎市 阿波岐原の家(二世帯住宅) 新築_c0153595_11014353.jpeg
宮崎市 阿波岐原の家(二世帯住宅) 新築_c0153595_11014722.jpeg
 始めてTさんにお会いした時、自然素材を使い、そして家族で家を作る喜びを感じたいといわれました。参加型の家づくりというものはありますが、建主がどの時点でどのように関わるのかという決まったマニュアルはありません。セルフビルドも、言葉としては新しさを感じますが、その内容は太古より行われてきた営みの一つです。

 家族が、そして地域の住民が協力して家づくりが行われた歳月は非常に長いものです。住宅が商品として扱われてからそんなに時間はたっていません。祖父が・父親がそして近所のおじさん達が手をかけて作り上げた家に対する「想い」と買った家に対する「想い」が違うのは当然の事だと、早く多くの人に気がついて欲しい。一つの家ができあがるとは、まさに一つの「ものがたり」がそこに生まれることです。

 Tさんご家族は、この「ものがたり」大切にしたいという強い気持ちを持っていました。すでに諸塚村産直住宅の情報はお持ちで、諸塚村との交流の中で家づくりを進めていこうと考えられていました。計画当初より自然素材について、そして有害な建材について打合せを行い、建築基準法及び住宅金融公庫融資の枠の中で可能な自然な住宅について模索を始めました。

 身近な自然素材を使うにあたって、よく問題となる生きているからこそ起る状況(木材の収縮等)については自然に受けとめておられ、後は住まい方をどのように考えるのかという点での打合せを進めました。

 ご両親との同居のなかで、帰宅時間の遅いご主人そして家でも仕事をされることがあり、夜の早い両親に迷惑をかけたくないとのこと。限られた敷地内での二世帯住宅のあり方の模索の結果、玄関と外部のユーティリティースペースを共有し、他は完全に独立させるものとして計画し、中央をウッドデッキにて視覚的にも機能的にもつなげたプランとしました。

 基本計画が進む中、1999年4月諸塚村主催のやましぎの杜体験ツアーにTさんご 家族と参加しました。やましぎの杜では民家再生にかかわり、機会あるごとに私も家族で参加し、色々な山村生活体験をしていました。夜、囲炉裏を囲みご夫妻と色々なことを語り合いました。

 土間、囲炉裏の間、畳の間の3部屋からなる民家の中で、家族の生活そして子どもの成長を始めとする家族構成の変化などを、1世紀にわたって家族の変化に対応してきた「したしぎ」民家の中での話は様々な場面を想定して考えるのには非常にわかりやすい場所でした。隣の畳の部屋では、ツアーで知り合った家族がすでに寝息をたてており、こちらの話声が夜が深けるとともに小さくなっていったのは言うまでもありません。

 私はご夫妻との囲炉裏を囲んでの時間に、ゆったりとした時の流れを感じました。おそらくご夫妻も同じ気持ちであったと思います。家族が家の中でどのように寄り添い生活をしていくのか、そして同居の両親とどのように向き合うのか、今考えると、様々な日常生活を大きな屋根の下に包込む計画となったのは、この時の経験によるものかも知れません。(柴睦巳)
宮崎市 阿波岐原の家(二世帯住宅) 新築_c0153595_11015121.jpg

完成模型
宮崎市 阿波岐原の家(二世帯住宅) 新築_c0153595_11171894.jpg


名前
URL
削除用パスワード
by mutumi48 | 2022-11-11 08:19 | 住宅・他 | Trackback | Comments(0)

日々つれづれなるままに


by mutumi48
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28