双石山 2022年05月20日 ドローン空撮

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 後藤氏より7時28分にラインで小谷登山口から「朝靄のため撮影時間を少し伸ばした方が良いので、ゆっくり来てください」との連絡が入る。自宅を出発する前にグループライン双石山に「空撮行います」とのメッセージを入れる。

 8時30分頃に小谷登山口に到着、すでに10台ほどの車が止まっており、後藤氏、松元氏も到着している。準備を終えた頃に小八重氏がみえ挨拶を交わす、「今日はどちらにいかけるのですか」と聞くと、尾根の反対側に山友の谷口さんから案内を頼まれて植物の観察に行くらしい。

 登山口で初めて来たというご夫妻に出会う。登山口に設置してあるボックス内のエリアマップが無く、私が車に入れているマップをご夫妻に渡す。事前に天狗岩、空池、象の墓場については調べられている様子、そこに小八重氏が準備を終えて来たので「小八重さん2人を案内していただけますか」と、2人には「この方は、双石山に関して最も詳しい方です」と紹介する。

 後藤氏、松元氏と3人で小谷登山口を8時50分過ぎに出発、前回から目立っていた登山道脇のヤマアジサイの花が陽の当たり具合の関係なのか鮮やかに見える。このヤマアジサイは急登を上がった所から最初の重機道との合流地点まであり結構な数が植えられている。

 後藤氏に「ヤマアジサイは双石山には自生していない植物で、この場所は国の天然記念物エリアではないが、登山道にこれだけまとまっていると、知らない登山者に誤解を与えてしまうと思うのですが」と話し、重機道合流地点から小谷沿いに植えられているヤマボウシについても「ヤマボウシも双石山ではまだ見かけていないのですよ、花芽がたくさんついているので甘い実は楽しみ」と言うと後藤氏より「甘い実の付くヤマボウシは良くてヤマアジサイはダメなのですか」と指摘があり、思わず「いや基本自生していない木は植えて欲しくなかったです」と答える。

 塩鶴側の山斜面では杉林の下草狩りが行われている。この時期は日増しに草が成長し一週間経つと山肌の緑色の濃さが変化していく。親子岩横の急登を上りここにある切株に腰掛けてしばし休憩、その跡重機道を辿り分岐点を目ざす。

 重機道の途中で山肌に・・ランが着生している古木を後藤氏に伝えドローンでの空撮をお願いする。例年だと6月中旬以降に花を付ける。近づいて見えるの一部の・・ランだけで他は木々の枝や葉に邪魔されて見ることはできない。ただし遠目に見るとたくさん開花が確認できる。

 小谷登山道分岐点に9時23分に到着するが、先ほどまで一緒に登っていた松元氏の姿がみえない、しばらくすると1人登ってみえ「キヌガサダケが出ていました、それも黄色と白の2種類がありました」とのことウスキキヌガサダケが見られるのは例年だと6月の中旬だと思っていた。

 早々に見に行くと分岐点を下り最初の右側にある大きな岩の両側にあり、山側に白いキヌガサダケが完全に萎れた状態で横たわっている。反対側のウスキキヌガサダケは芯の部分頭が黒ずみドレスは僅かに残っている状態となっている。

 5月に見られるのは珍しく今年は他の植物の開花が早いのと何か関係があるのかもしれない。

 分岐点では後藤氏がドローンを飛ばしすでに空撮中、重機道の途中でお願いした・・ランの着生古木を撮影している。登山口でお会いした小八重氏、ご夫妻、谷口さんの4人が登ってみえしばし談笑後イワヤ神社方面に進まれる。

 次のドローン空撮発着場の切株展望所に移動、ここも下草が育ち特にトゲのあるナガバモミジイチゴに気をつけながらアプローチする。ここでは石炭山と双石山との鞍部に向けてドローンを飛ばして空撮している。

 私は塩鶴登山道に一旦戻って気になった樹木を観察、今日は「樹木の葉」図鑑をリックに入れており、取り出してはじめて見る樹木の葉を本の目次で探す。どうやらクロモジの木で山中に自生していることは山友の廣重氏から貰ったクロモジの実で作ったブレスレッドで知っていたが実際目にするのは初めてである。

 葉が枝先に集まって付いているのと樹皮の模様が特徴的である。クロモジには抗菌作用があり昔から爪楊枝の材料として使われている。

 次の空撮の目的地はリッペの岩場で一旦小谷登山口まで下山する。下山途中の犬岩横の登山道脇に綺麗に整ったタンポポの冠毛が目に入りカメラを取り出し接写モードでパチリ撮る。

 朝ドラで主人公が長屋に咲いているタンポポを子供達と一緒に見ながら、タンポポは花弁に見える一つ一つが花だと説明していた。タンポポの花はたくさんの舌状花が集まって頭状花となっている。よく観察すると舌状花の中央に雌蕊が伸びその廻りに雄蕊が5本合着しているらしい、次回はカメラケースに入れているルーペを使いじっくりと観察してみよう。

 11時00分頃に小谷登山口に下山し、県道を車で上り一旦ルンゼ登山口の駐車場に車を止めてリッペを観察する。ここから間近に見えるリッペは確かに山側との間に大きな切れ込みがある。ドローン飛行に課せられた制約によりここから飛ばすことは難しく別な場所に移動する。

 その場所はグーグルマップの航空写真で確認していた切り出した杉材の集積場、ただし作業が行われていたらそこからドローンを飛ばすことはできない。目的地の集積場は現在空地となっており車を乗り入れリッペの岩場を眺めるが距離がありすぎて難しそう、ここからの空撮を諦めて次の場所へ移動する。

 場所は椿山公園の駐車場、ここから双石山の南東斜面が一望できる。ただし距離があるため山頂をメインに両サイドに日向灘を入れながら、山頂周辺の岩場をどれだけ被写体として捉えることができるのかは飛ばしてみないと分からない。

 真っ青な空に吸い込まれるように小さなドローンが飛び上がり、そのうちに姿が見えなくなる。オペレーターのモニターには徐々に近づく双石山の小峰が大きく見えてくる。

 ドローンのカメラが捉えた姿は、右側に宮崎平野とその奥に尾鈴山から東に伸びる稜線と日向灘、山の右側にはクンパチ山系の低山とその向こうに青い日向灘とその水平線、そして手前には初夏を思わせる多彩な緑色の山肌が写っている。

 手前から宮崎平野に伸びる緩斜面の杉林が、国天然記念物に指定されている豊かな植生の山肌を際立たせている。その中にいくつかの岩峰が赤茶けて見える。落葉樹が葉を落とす時期になるとこの岩肌が多く見え一層荒々しい山の姿を見せてくれる。

 先ほど通り過ぎた九平登山口に河野さんの車が止まっていたことを思い出し河野さんに電話を入れる。実は前回山小屋でお会いした時に冊子「双石山」を欲しいと希望されていた。今朝後藤氏に会った時に「これを河野さんに渡して」と言われていた。後藤氏もここにいるので丁度良いと思い連絡する。電話が繋がった時には河野さんはすでに下山し帰宅途中の様子だったが「ドローンにも興味がありますから引き返して行きます」と言われ、連絡を入れてから30分ほどで椿山の駐車場に到着され、しばらく一緒に談笑する。

 椿山駐車場には私たち以外にも、2・3台の車が止まっている。一人の男性が近づいてきて「柴さんですよね」と声をかけてくれる。どこかでお会いしたことのある方だが直ぐに思い出せない。

 にっぽん百低山の話から徐々に、ああこの方は昨年4月に白石さんが滑落死をした時に最初に発見した二人の内の一人だと思い出す。カメラバックに入れている「出会いリスト」を見ると中武氏で宮崎市山岳会の事務長をされている。ひゅうが草鞋の会のメンバーでクライマー、捜索当日、私も急遽現場に向かったが、別の班を案内していた中武氏と新原氏が崖から伸びた木に掛かっていた白石さんを発見している。以前のブログでも書いたが、あの日に二人がいなかったら発見が大幅に遅れていた。

 中武氏は私より一学年下になるが登山をはじめたのは30年ほど前からということで、どちらかというと県北の比叡山や大崩山の岩場をメインとされていた。私が高校生の時に通っていた象の墓場での接点は無く、中武氏の話では双石山でのクライミングの時にはタワシで苔を落としていたらしい。私には岩肌に付いた苔の記憶がない。中武氏との話は尽きず、内海川から登られた花切山とアカマツ展望所の事、そして河野さんとの繋がりもあり照り返しのきつい駐車場で結構長時間楽しい時を過ごす。

 椿山で当日来ていただいた、後藤氏、松元氏、吉田氏とは一旦別れ県道を下るが、途中で小峰の南側にある突き出た岩峰が気になり、よく見える場所で車を止めてカメラを向けていると、後藤氏が車をとめ、一旦通り過ぎた吉田氏も引き返してくる。カメラだけ持ち姥嶽神社に繋がる山道を進み途中で小峰がよく見える場所でパチリ撮る。後藤氏はここでもドローンで空撮をはじめる。

 県道をルンゼ登山口まで降りると駐車場で食事を楽しむ二人の登山者の姿があり思わず車を止めてパチリ撮る。山友の廣重氏とキジちゃんの二人で話を聞くと早朝からこの場所でバードウォッチングをしているらしい。

 私が11時過ぎにここに来た時は丁度食材を買いに行っていたらしい。廣重氏がスコープを使いスマホで撮った動画を見せてもらったが、なんと枯れ木に止まりそして飛び立つハヤブサではないか。その特徴とも言える太い脚をしっかりと捉えている。

 日本野鳥の会宮崎支部会員の二人、聞こえてくる鳥のさえずりで・・の鳥と教えてくれる。急にキジちゃんが「コゲラがいる」と指差した場所をカメラレンズでズームアップすると国内最小のキツツキと言われるこげ茶色に白い点模様の鳥が同じ木の幹を上下に移動している。

 コゲラは加江田渓谷・双石山で良く観察される鳥の一種だが、ハヤブサは野鳥の会から以前いただいた山中での観察リストの中には入っていなかった。

 双石山に関することには何にでも興味を持っているが、野鳥に関しては全くの素人で、せめて鳴き声を聞き何の鳥なのかはわかりたいと常々思っているが、まだその努力をしていない。これからの課題の一つである。

 今日はドローンでの空撮ということで陽の当たる場所に長時間いたせいか、帰宅後にいつもとは違った疲労を感じた。翌朝体調が良ければ明日は山小屋まで登ろう。


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ネズミモチ 開花
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ハマクサギ 開花
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・・着生古木
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小谷登山道分岐点脇 ドローン空撮
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クロモジ
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タンポポ 冠毛
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椿山公園の駐車場からの小峰
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小峰の南側には独立峰
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加江田渓谷上流域とクンパチ山系
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山友の二人
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リッペ
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コゲラ
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下記は後藤氏撮影

小谷登山道分岐点
後藤氏 吉田氏 松元氏 柴
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by mutumi48 | 2023-05-22 15:51 | 双石山へ | Trackback | Comments(0)

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