今週末の天気は予報だと、土曜日は曇り日曜日は雨のち曇りとなっているので今回も土曜日に登ることにする。前回尾根筋登山道の2カ所で見つけた無葉蘭の開花状況を確認する。
無葉蘭は、宮崎県内では絶滅危惧1A類に指定されており、開花時期は5月の中旬だが開花の期間が数日しかないため開いた花を見ることは難しく、花房が付いていない時は細い焦茶の茎が地面に刺さった状態なので見つけること自体が難しい。
また無葉蘭には数種類あるらしく、ネットで調べると加江田渓谷で撮影された「ウスギムヨウラン」、他に「クロムヨウラン」「トサノクロムヨウラン」「ミドリムヨウラン」などがあるらしい。今回尾根筋で見つけたものは花房の色合いから「ウスギムヨウラン」らしい。
自宅を出発し近くのスーパーで、山小屋ランチのザルソバと、急登後に第二展望台で食べるカキ氷(2個)を購入する。今回は前回のように事前に一緒に登る約束をした山友はいないが、おそらく小谷登山道分岐点、岩の上四兄弟、第二展望台で休憩している時に常連の山友さんに出会うことを見越してカキ氷は2個とする。
小谷登山口に着くと、丁度登山口前に1台分の駐車スペースが空いており、その東側には早朝常連の杉山氏の車が、そして西側には山友の長友さんの車が止まっている。このスペースはおそらく早朝常連の加藤氏が車を止めていた。第二駐車場に止まっている車を合わせると全部で13台の車がある。
準備をしていると杉山氏が下山してみえ挨拶を交わす。杉山氏のブログ(デジカメde散策)によると自身の早朝登山は今回で743回目で、毎週お仲間達(双石山木曜会)とは406回となっているので、ブログをはじめられてから1149回双石山に登られていることになる。杉山氏はとうに80才を超えていらっしゃり、双石山探検隊のメンバーから師匠と尊敬されている小八重氏(杉山氏と同年代)と合わせて私が目標とする双石山人である。
今日の登山道はここ数日の晴天と強風のためか岩場が乾いており、前回、前々回のように岩場での滑りにさほど注意する必要もなく登りやすい。
8時30分過ぎに登山開始、最初の急登を上がりしばらく平地の登山道、両脇に植栽されたガクアジサイがそろそろ満開となる頃、3年前に植樹されたが、本来双石山には自生していない樹木、この時期開花すると強烈にその存在をアピールする。正直、豊かな植生と奇岩により国の天然記念物に指定されている双石山への誘導路にあることに疑問を感じている。
9時18分に小谷登山道分岐点に到着、ベンチにリックとカメラバックを降ろして、まずはここから見える風景をスマホで撮り、母親と双石山グループへラインで送る。振り向くとここからはじまる暖帯林が目に入る。まず目に付いたのはショウベンノキにたくさんの花が付いている。そしてここから見える赤肌のバクチノキの右奥にアワブキ状の白い花をたくさん付けた樹木が見える。
その付近にチシャノキが自生していたので当初チシュノキの花ではと思ったが、下山時に再度レンズをズームアップしてみると葉っぱの形状が少し違う、先広の形状で鋸歯が目立ち、葉裏の側脈も目立っている。ほぼ同じ時期に開花するヤマビワなのかもしれない。次回はその違いが明確となる木肌を確認するために近くで観察しよう。
一人の男性が登ってみえ挨拶を交わす、この方は年齢的には私とさほど変わらない大阪の方で、3日間かけて宮崎の山に登りに来たらしく、一昨日は尾鈴山に、昨日は釈迦岳に登り、今回双石山に登ってきた。
山友の長友さんが下りてみえ挨拶を交わす。アラブのお姫様スタイルにウクライナカラーのスタイル「今日は用事がありますので早めに登りました」と下山されていく。
リックを担ぎ、石積み岩に載せる小石を拾った後に小八重氏と桜川さんが登ってみえる。挨拶を交わし話を聞くと「今日はピンクのギンリョウソウを見に行きます」とのこと、そういえば双石山探検隊が今週15日に登りその山行記録をアップしていたオッシーのブログにピンクのギンリョウソウが紹介してあった。ピンクのギンリョウソウは山中で数カ所見かけることができるが、ほとんどのギンリョウソウは白い色である。
三人で分岐点を右に進む、バクチノキの下には芽吹いたばかりの新芽がたくさん、細長い卵形の対の葉がなんとも可愛らしい。
親父の木、失楽園横を通り大きなタブノキの倒木下をくぐる時に小八重氏から、倒木を支えているヤブニッケイの木がいつまで支え切れるだろうかと話がある。そのことは私自身以前から考えていることで、ここを通る時には倒れたタプノキのため大きく傾き一部幹が避けているヤブニッケイを確認し足早に通るようにしている。
ステンレス三段梯子取付きでの小休止は無しで、そのまま梯子を登り王家の谷に入り、風穴横を通り岩の上四兄弟の定位置としている岩に腰掛けて休憩する。上から二人の男性が下りてきながら、一人の方が別の方に象の墓場へのアプローチについて説明している。どうやらだいぶ前に来たことがあるようだが、ステンレス三段梯子下の殿付きからアプローチするルートを薦める。
大岩下の梯子取付きで下山途中の赤木さんとすれ違い挨拶を交わす。谷コースを選択し次のロープカ所取付きで小休止、登山道脇にトンボソウが自生しているが花茎がさほど成長していなく花を付けるにはもう少し年月が必要かもしれない。いつも休憩する場所なので先々が楽しみである。
10日16分に第二展望台に到着、テーブルベンチにリックを降ろし、まずはここから見える風景をカメラに収める。曇り予報だったが青空に薄い雲が棚引き県央の稜線が尾鈴山から大森岳まではっきりと見える。
リックからカキ氷を取り出し、一つを半分に分け小八重氏と桜川さんに食べていただく。今回のカキ氷はいつものイチゴ味ではなくカフェオレ味で、ここまでの急登を上った体にはどちらにせよ冷たくてとても美味しい。
近くでメジロが鳴いている、ここで小八重氏から興味深い話を聞く、小八重氏が子供の時メジロなどの小鳥を捕獲する時に使った「とりもち」のことで、季節に応じて3種類の樹木を使ったらしい。寒い時期はタラヨウの樹皮、少し暖かくなるとモチノキの樹皮、そして暖かくなるとヤドリギの実を使い「とりもち」を作っていたらしい。
「とりもち」についてネットで調べると、地域により使われる樹木が違うようだが、モチノキ属(モチノキ・クロガネモチ・ソヨゴ・セイヨウヒイラギ)や、ヤマグルマ、ガマズミなどの樹皮、ナンキンハゼ・ヤドリギなどの実、そしてツチトリモチの根などが使われている。
第二展望台を一旦下りて尾根筋登山道を山小屋をめざして進む、途中登山道を外れイチヤクソウを見にいく。斜面に数株のイチヤクソウがあり昨年花を付けた株には新しい花芽と昨年の花後が残っており新旧の対比が面白い。
イチヤクソウを接写で撮っている時に「ヘビがいる」との桜川さん、指さす方向をみると1m弱のヘビが斜面上に向いている。模様から判断するとマムシではなくアオダイショウかシマヘビ、しばらくじっとしていたが近づくと逃げていき落葉の下に入り分からなくなる。
登山道に戻り、前回見つけたムヨウランの群生地で開花状況を確認するが唇弁はまだ閉じている。ここに自生しているのはその色合いからウスギムヨウランと思われる。唇弁は長さ10~12㎜で3裂するらしく開花した状態を見てみたい。10株はあるので来週末に開花状態を確認できるかもしれない。
ムヨウランは多年草で菌栄養性、毎年この時期この場所での楽しみとなる。
11時40分前に山小屋に到着、小屋前の登山道に緑色の保冷バックが落ちている。側面には鳥が突いたのか穴が空いている。中を確認すると行動食なのかお菓子と・・・、そしてスマホが入っている。小八重氏の話だとこのバックは5月15日にはテーブルベンチ付近にあったらしい。とりあえず現場近くで雨と動物による影響のない場所に置いてきたので、心当たりのある方はブログの非公開コメントで連絡をいただければと思う。
山小屋の北側テラスのテーブルベンチには第二展望台でもお会いした三人組(男性+女性2人)がランチを終えて出発しようとしていた。そのうちの一人の女性がゴローの登山靴を履いており、思わず声をかけると、別の女性の方も「今日は履いていないけれど私も20年ほど愛用しています」とのこと、女性での愛用者は水窪さんだったが、これで3人になった。
テーブルベンチにてランチタイム、桜川さんから魚のソーセージをいただく。ランチはザルソバ・おにぎり・ソーセージ、そしてデザートとしてバナナ、程よい腹具合、囲炉裏でさつまいもを焼いている時期はついつい食べ過ぎになることがあり、いつの日かからサツマイモ自体をメインランチとするようになった。
小八重氏と桜川さんはピンクのギンリョウソウを見るために早めに下山される。ルートは三叉路から加江田渓谷側に下りる。
12時45分前に、金丸君が好きだったアカマツの写真を撮り下山スタート、ただしこのアカマツは4年ほど前から枯れはじめ、先日の強風のためか大きな枝が折れて途中の枝にかかっており、徐々に姿を変えつつある。
13時10分頃に第二展望台に到着、ここでテーブルベンチでしばらく昼寝を楽しむ。スマホの双石山グループのラインを見るとオッシーからのコメントが入っている「・・・柴さんたちが下山する時、どこかで会うかもしれないですね」とのこと、オッシーに電話を入れると「今、分岐点にいます。ここで植物の観察をしながら下山してくるのを待ってます」との返事があるが、今一度持参した「樹木の葉」図鑑を枕に、そして登山靴も脱いで再度ベンチに仰向けになる。
13時45分過ぎに下山開始、今日は尾根コースを下りることにする。途中のカズオチェアーの所に一人の男性の姿があり、近づくと横山氏「午前中仕事をしてからきました」とのこと、横山氏も双石山に魅せられた一人で、先月まで山小屋で一緒に囲炉裏の火を囲んでいる。尾根コースは急下りの連続だが、谷コースと比較すると距離が短くなり分だけ早めに下山でき、体力的にも楽なのかもしれない。
岩の上四兄弟取付きで小休止、息を整えて再度下山開始、登り龍を過ぎたあたりから鶯の鳴き声が聞こえてくる。口笛で鳴き真似をするがスースーとうまくできない。親父の木を過ぎバクチノキあたりでオッシーから「柴さん」と声がかかる。
オッシーの手には双眼鏡と新たに購入したニコンのクールピクス600、登山口からこの二つを使い植物観察をしながら登ってきたので、いつもの4倍以上の時間がかかったらしい。オッシーからクリーム入りのサンドイッチ(黒糖入り菓子パン)をいただく。
しばらく、ここから見えるチシャノキかヤマビワなのかの樹木を見ながらあれやこれや、オッシーの植物に関する興味は目覚ましく、今日もラインでこの葉はなんの木ですかとメッセージが入っていた。
15時30分頃に小谷登山口に二人で下山、本日の無事なる山行と新たな出会いに感謝し山に一礼する。
小谷登山口前を出発し最初のカーブのところで加江田渓谷の丸野登山口に降りた小八重氏の車とすれ違う。