熊本県内 木造施設視察-02



2024年12月14日、熊本県内木造施設の二日目
 本日は、エバーフィルド木造加工場、八代市民族伝統芸能伝承館「お祭りでんでん館」、ひみつ基地ミュージアム、青井阿蘇神社・青井の杜国宝記念館を見学する。

エバーフィルド木造加工場
構造 木造
設計者 小川次郎 小林靖 池田聖太
総工事費 300百万円
 二日目の見学施設は上益城郡甲佐町にある建設会社の木材加工場施設、熊本産の小国杉を使った建物で4m定尺(120cm角)以下の木材を3角形ユニットの単位で組み合わたレシプロカル構造で大きな空間を構成している。
 レシプロカル構造は部材同士でお互いに支持しあい立体的にバランスを保つ構造形式で、コンピューによる解析により大径材や長尺材を使わずに空間を作ることができる。木材加工は宮崎県のランバー宮崎(プレカット工場)が担当しており、その技術力を再認識する。
 エバーフィルドは木造住宅の会社で敷地内には、建築主との打合せ用建物と事務所を兼ねた研修室のある建物が建っており、私が気になり多くの写真を撮ったのは建築主との打合せ用建物で、その構造は木造と鉄骨とのハイブリット構造で、打合せのための独立した各室棟を開放的な渡り廊下で結んでいる。
 加工場での独特な構造システムと、訪れたユーザーに非日常的空間の提供と先進的な取り組みは熊本県が長年取り組んできたアートポリス事業の影響なのだろうか。
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八代市民族伝統芸能伝承館「お祭りでんでん館」
完成 2021年05月
設計 平田晃久建築設計事務所
構造 鉄筋コンクリート+木造 一部鉄骨造

 八代市民族伝統芸能伝承館「お祭りでんでん館」は八代城近くで、付近には熊本アートボリス事業初期の代表的建物となった、八代市博物館未来の森ミュージアム(伊東豊雄)、歴史的建物として八代城主松井直之が母のために建てた茶屋「浜松軒」がある。
 独特な景観を作り出しているこのエリア内での計画に、設計者には相当なプレッシャーがあったのではと思いながら、30年ほど前に熊本県が主催したバスツアーに参加し設計者から直接案内していただいた時のことを含めて思い出した。今回事前の情報が何もない中で現地に到着し建物に向かい合うことになったが、正直周辺環境の中でのうねった屋根を持つ建物に違和感を感じてしまった。構造はRC+鉄骨+木造となっており、独特の屋根は木造によるものとなっている。今回のバスツアーがみやざき木造塾の研修の一環として実施されているので、木造の新たな可能性について知見を得るためであることは十分に認識している。私が感じた違和感とは、果たして何だったのか。その一部として建物のデザインが強調され過ぎていることなのかもしれない。学生の頃に「建物の透明性」について説明しなさいという試験問題があった。単にガラスを多用するのではなく建物の目的がいかに外部に形として表現することができるのかという捉え方だったと記憶している。
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 八代市民族伝統芸能伝承館「お祭りでんでん館」は八代城近くで、付近には熊本アートボリス事業初期の代表的建物となった、八代市博物館未来の森ミュージアム(伊東豊雄)、歴史的建物として八代城主松井直之が母のために建てた茶屋「浜松軒」がある。
 独特な景観を作り出しているこのエリア内での計画に、設計者には相当なプレッシャーがあったのではと思いながら、1996年8月に熊本県が主催したバスツアー(2泊3日)に参加し設計者の伊東豊雄氏から直接案内していただいた時のことを思い出した。
 今回事前の情報が何もない中で現地に到着し建物に向かい合うことになったが、正直周辺環境の中でのうねった屋根を持つ建物に違和感を感じてしまった。構造はRC+鉄骨+木造となっており、独特の屋根は木造によるものとなっている。今回のバスツアーがみやざき木造塾の研修の一環として実施されているので、木造の新たな可能性について知見を得るためであることは十分に認識している。
 私が感じた違和感とは、果たして何だったのか。その一部として建物のデザイン(うねった屋根)が強調され過ぎていることなのかもしれない。学生の頃に「建物の透明性」について説明しなさいという試験問題があった。単にガラスを多用するのではなく建物の目的がいかに外部に形として表現することができるのかという捉え方だったと記憶している。


八代市立博物館
未来の森ミュージアム
平成3年3月27日完成
設計 伊東豊雄建築設計事務所
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松浜軒
1688年(元禄元年)
八代城主 松井直之の母(崇芳院尼)のための茶屋
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ひみつ基地ミュージアム
2018年8月完成
設計 中西ひろむ建築設計事務所+荻原雅史建築設計事務所
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 三つ目の見学は人吉市郊外にある「ひみつ基地ミュージアム」建築としての感想はさほどないが、この地に海軍の航空基地があったことに驚き、当時の戦局のためか地下に大規模な施設が作られている。今回入館時間の都合でガイドによる地下施設のツアーには参加できなかったが、施設建設時の必要性を形にした空間には大変興味がある。どの時代でもそうありたいと思うが、建築行為がその時代のその地域での必要性に十分に応えられる物でありたい。


青井阿蘇神社・青井の杜国宝記念館
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 今回最後の見学地は人吉市の国宝青井阿蘇神社境内に建てられた「青井の杜国宝記念館」で設計は隈研吾である。青い阿蘇神社は・年前に西米良村に建てた「川の駅」監理の時に大工工事を担当してくれた・・大工さんが門修復に関わったということで加工場での木材検査を利用して案内してもらったことがある。当時修理が終わったばかりの門は、木部や屋根の茅葺が明るく見えた記憶があるが、今回訪れて2020年7月の人吉豪雨により大きな被害を受けており、その爪痕を感じ全体的に暗い印象を受けてしまった。見学対象の国宝記念館は閉館となっており内部を見ることはできなかった、ガラス越しに階段吹き抜け部分を通して小屋組を見ることができた。構造自体は大径材による柱梁の組み合わせとなっており、特に軒下外部に丸太のまま使われている柱は沙の狭野神社の樹齢400年の狭野杉が使われている。狭野杉は銘木中の銘木で書籍の中ではその存在を知っていたが、立木以外で加工された現物を直接目にし触れるのは初めてのことである。この建物を特徴づけている物に屋根に
使われている木製ルーバーがあり、設計者によると社殿の茅葺の圧倒的なかたまりに対抗するために採用したと自身のHP上で書いているが、合わせて定期的にメンテナンスが必要となる茅葺をとらえ同じくメンテナンスを必要とする木の採用により建物自体の延命を図っているのではと思った。

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by mutumi48 | 2024-12-16 10:38 | 宮崎の木材・塾・協議会 | Trackback | Comments(0)

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