双石山 2025年4月6日 翼くん

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 8時15分に自宅を出発し8時25分に小谷登山口に到着する。登山口前に5台、第二駐車場に2台の車が止まっており、お天気の割りに意外と少ない。準備を終えて第二駐車場に新設された便所の建物を確認するために行くと、そこに常連の佐々木さんが到着され「柴さん、いつもと比べると早い時間ですね」と声をかけられる。そう今朝は、次男が仕事に関わらず「今日は駅まで歩いて行くから送らないでいいよ」と言ってくれ、その分早めに自宅を出発することができた。

 便所の扉には「4月1日から使えます」という貼り紙があり、扉を開けると腰壁より上の壁と天井に張られている杉板から独特の香りが漂う、いつまでもこの香りが残ることを祈りたい。あとで聞くことになるが便所のお掃除は双石山に関わる各種山の会により定期的に行われるらしい。

 8時40分に小谷登山口をスタートする。登山口には山小屋の外壁に使うペットボトルに入れた塗料が置いてある。一本を手にして登り始める。小谷登山道右側を流れる谷筋の反対側からウグイスの鳴き声がしきりに聞こえてくる。ただしまだ本来の鳴き声では無い。

 親子岩上の重機道の平場に到着、上を見ると先行された佐々木さんが犬岩横の急登を上られている。急登部分に来ると足元にタンポポの花を数輪見かける。前回下山時に見かけたキジムシロとキランソウ共々に春を感じさせてくれる。

 8時54分に小谷登山道分岐点に到着、リックとカメラバックをベンチに降ろし、まずはここから見える風景をスマホで撮り母親とグループライン双石山に送付する。今日快晴だが宮崎市街地は霞がかかっているのか県央の稜線を望むことはできない。

 鏡洲川対岸の七つ山には山火事の跡が痛々しく残り、杉は赤黒く、その中に肌色の塊がいくつか点在している。その塊はおそらく竹(ホウライチク)が焼けた跡だと思う。ホウライチクは地下茎を伸ばさずに株立状に自生し根を地面に垂直に深く張る性質がある。小谷と塩鶴との山斜面の稜線上にもその姿を見ることができる。

 イワヤ神社で本日の無事なる山行を祈願し、天狗岩をめざして先に進む、毎回のことだが途中で昨年の谷筋の崩落により・年8月12日の滑落事故の現場を見下ろすルートとなった登山道を通ることになったので、その時こといつも思い出してしまう。

 9時13分に天狗岩に到着、取付きにはサツマイナモリの群生地があり、ここで今週届いた撮影用ライトを使い写真を撮るが、後藤氏のような写真にはとてもとてもならない。天狗岩側の急登、そして空池、チェックストーンを通り王家の谷に入る。ここに前回まではなかった下山時の道案内プレートが付けられている。確かに空池の出入り口となるチェックストーンは王家の谷の登山道からは見えない。

 9時25分岩の上四兄弟に到着し小休止、今日も前回同様に風が無く鳥の囀りもなく自身の息遣いだけが聞こえる。天狗の井戸上に下りてくる登山者の姿が樹間に見え隠れ、この時間帯だとヘルメットおじさんではと思うがいつもの熊鈴の音はしない。

 化石広場手前で「やはりヘルメットおじさん」と気付き「おはようございます、今日は熊鈴の音が聞こえませんね」と声をかけると「忘れました」との返事、前回はウェストポーチのみだったが今回はリックを背負っているので山頂まで登られたのではと思い「どちらまでですか」と聞くと「山小屋までの往復です」とのこと「前回は焚き付け用の杉の枯葉ありがとうございます、お気をつけて」と伝えて別れる。

 大岩下で尾根コースを選択しステンレス梯子に取り付く、この梯子周辺はサツマイナモリの群生地、ちょうど梯子の間にも花を付けているので2種類あるという花弁の中を観察する。本当はここで写真に撮ると良いのかもしれないと思いながら否梯子途中だからと思いとどまり、そのまま慎重に大岩取付きまで登りここでも休憩する。

 大岩を見ながら、しばらく大岩の天辺に登っていないなあと思う。天辺では通常見ることのないアングルで様々な樹木の花を見る事ができる。次回の登山時には久しぶりにのぼって見ることにする。

 9時55分に第二展望台に到着、テーブルベンチにリックを降ろし。ここから見える宮崎平野をカメラで撮る。展望台北側斜面には前回も開花していたサイコクミツバツツジがたくさんの花を残しており、ズームアップしてパチリ撮る。今月末には展望台脇に自生するオンツツジが真っ赤な花を見せてくれる。

 10時38分に山小屋に到着、早々に囲炉裏に火を入れる準備、焚き付け用の杉の枯葉はヘルメットおじさんが準備していたので、小枝を集めにいつもの巻道に行く。集めてきた小枝を杉の枯葉の上にのせて大きめの薪を置くが、火をつける前に雨水タンクにバケツ一杯分の水を汲みに行き、そのバケツを囲炉裏の横に置き、それから火を付ける。

 S田君が顔をだす「おはよう今日は早いね」と聞くと「今から山頂まで登ってきます、帰りに立ち寄ります」とのこと、S田君は先月市内の高校を卒業し格闘家をめざし今年6月に上京することになっている。そのために平日はスーパーマーケットで品出しのアルバイトをしている。

 昨年10月に串間市在住の友人が手配してくれた串間産大束のやまだい甘薯4箱が残り1箱となり個数で言うと後2回分となった。届いた時に全てのサツマイモを新聞紙で包んだせいか根が出たものは一個もなかったが、2月以降一箱内に1〜2個(霜にやられた)ものが混じるようになった。あと後半になるにつれ味が微妙に変化している気がする。

 鉄網の上には5個のサツマイモ、火の勢いを見ながらこまめに火バサミを使い、温度が上がらないように気を付ける。

 外からたくさんの子供の声が聞こえてくる。どこかの子供会なのか父兄の声もあり、しばらく登山道脇のベンチで休憩しその後山頂をめざして進み、静寂がもどる。佐々木さんと蛭川さんが入り口に顔を出され、挨拶を交わしそのまま下山される。

 M窪さんがみえてリックから小谷登山口に置いてあった防腐塗料の入ったペットボトルを取り出し板間に置かれる。その後しばらく囲炉裏の火を囲む、足元を見るとゴローの登山靴ではなく長年愛用されている登山靴を履かれている。その後山頂をめざして進まれる。

 吉田氏とシスターコーヒーさんが見え一緒に囲炉裏の火を囲む、しばらくすると山頂を往復してきたS田君が立ち寄りベンチに腰掛けてランチの準備をはじめたので「今日は何を焼くの」と聞くと「今日は何も焼くものは持ってきていません、その代わり弁当を持ってきました」とタッパーに詰めてきたそぼろご飯を取り出す。

 タッパーにずっしりと詰められたそぼろご飯を見て「もしかして自分で作ったの」と聞くと「そうです」との返事があり「もしかして学生の時に飲食店でアルバイトをしてた?」と聞くと「定食屋さんでバイトしていました」とのこと「あなたは人間力がありそうだから格闘家になれなくても調理人でも成功するかもしれないよ」と話すと「いや格闘家になります」と力強い返事がある。

 S田君は高校を卒業したばかりだが物怖じせず、そして目上の人をリスペクトした話し方など好青年、いつかあの時にサインをもらっておけば良かったと思える日が来ることを祈っている。将来のためにと思い「名前も教えて」と聞くと「翼です」と返事がある。う〜ん「かっこい」これはますます期待してしまう。

 シスターコーヒーから美味しいコーヒーをいただき、前々回同様に持参されたお餅を鉄網で焼きいただく。

 吉田氏から加江田渓谷の会のI川氏が毎月作られているという自身のガイド資料で3月分の資料を見せていただく。渓谷の名所・植物・野鳥などがうまくまとめられている。この資料を12ヶ月分まとめられているのはすごいの一言に尽きる。

 一人の女性がみえ「柴さんですか」と声をかけられる。3月20日の山開きの時に参加され、木曜会のメンバーから毎週末に山小屋の囲炉裏に火を入れてヤキイモを山小屋に来た登山者に食べていただいている人がいると言うことを聞き、わざわざ訪ねてきてくれた。

 この方はTNさんとい双石山木曜会のメンバー、いつものグループ登山は目的地をめざしての山行で、私のように同じ場所に3時間前後も滞留しいろんな登山者との出会いを楽しんでいる山での過ごし方に興味を持たれたようだ。TNさんのニックネームは「ララちゃん」といい、双石山木曜会の中で付けられたらしい。本人からブログで紹介することがあれば「ララちゃん」と表現して欲しいとリクエストがある。

 山頂を往復してきたM窪さんが立ち寄り、翼君と入れ替わりに囲炉裏の火を囲む、シスターコーヒーさんとララちゃんとM窪さんは知人を通して繋がっているようで何かと話が弾む、吉田氏は今日は夕方から県立劇場に行くことになっているらしく早めの下山となる。

 14時54分に山小屋を出発、今日は3時間15分ほど山小屋で囲炉裏の火を眺めながらまったりとした時間を過ごした。下山途中で一人の男性とすれ違い「山頂までですか」と尋ねると「山小屋あたりで引き返そうと思います」との返事「お気をつけてと別れる」。途中いつものように第二展望台で小休止していると先ほどの男性が下りてくる。話を聞くと「午前中に大阪からきました」とのことで、どうやら象の墓場にな行きたいらしい。現在象の墓場へのルート上にはロープで通行しないようにしてある旨を伝える。

 次は岩の上四兄弟の取り付きで小休止し、15時58分に小谷登山道分岐点に到着、リックを降ろし前回積み忘れた小石も含め2個石積み岩にのせベンチに戻ると、第二展望台で出会った男性が親父の木方面から下りてくる「象の墓場に行ったのですか」と聞くと「行きました、大きな空間なのですね、」と驚かれた様子。

 この男性は兵庫県の方で、話を聞くNHKの「にっぽん百低山」の番組で双石山を知り、こちらにくる前に再度ビデオを確認したらしい。「他の山にも登られるのですか」と聞くと、登山ではなく明日は日南海岸のモアイ像を見に行き、次の日は都井の岬へ、そして都城の関之尾の滝、高原町の東霧島神社に行くらしい。

 16時32分に小谷登山口に下山する、本日の無事なる山行と新たな出会いに感謝し山に一礼する。登山靴を履き替えていると兵庫県の方が降りてくる「あれ先に分岐点を出発されましたよね」と聞くと「途中でピンクテープのある方に進んだら道迷いをしてしまいました」とのことで「分岐点までの小谷登山道で道迷いを?」次回どの場所か確認しなければいけない。

小谷登山口第二駐車場
便所オープン(4月1日〜)
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小谷登山道分岐点から
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サツマイナモリ開花
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第二展望台から宮崎平野を望む
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サイコクミツバツツジ
第二展望台から
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ヘルメットおじさんありがとう
囲炉裏焚き付け用の杉の枯葉
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囲炉裏に火を入れる前
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囲炉裏の火を始末
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山小屋 
今日もお世話になりました
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小谷登山道分岐点
下山時ベンチで休憩
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by mutumi48 | 2025-04-07 17:41 | 双石山へ | Trackback | Comments(0)

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