双石山登山口へ向かう途中で、明日(6月1日)目の手術を受けるため入院する家族を送っていく。日曜日のため時間外受付となりその場所を探すが、以前来た時から増築が行われており場所が分からない。昔、子供を夜間連れて来たことがあったが、その時の場所ではなく別な場所となっていた。病室まで送ろうと思っていたが本人から入口までで良いとのことで、その足で小谷登山口をめざして車を走らせる。
小谷登山口前の駐車スペースには3台の車が止まっている。日曜日にしてはあまりに少ない。すでに梅雨に入っているが今週末は天気が良いとの予報となっていた。後で出会った登山者が言われたが「天気が良いのでミヤマキリシマを見に霧島山系に行かれたのではないですか」なるほど、ネット上でも開花情報が流れていた。
常連のヘルメットおじさんが下山してくる。挨拶を交わし「今日は早いですね」と聞くと「第二往復です」との返事、確かにリックではなくウエストポーチを付けている。車に乗るためにヘルメットを脱がれる。ヘルメット無しのお顔を見るのははじめてで頭には私と同じように白い物が目立っている。
山友のアラブのお姫様ことN友さんの車がみえ第二駐車場の便所棟手前に駐車される。なるほどあの場所だと一日中陽に照らされることはない。いつも素顔を晒さないN友さんは車の駐車場所にまで拘られている。
9時44分に小谷登山口をスタート、登山道両脇のヤマアジサイの青と白との花による不思議な空間を通りすぎると、淡い黄緑色の花をたくさん付けたヤマボウシの横を進むことになる。ヤマボウシを過ぎるとようやく双石山本来の植樹帯の登山道となる。親子岩横の急登を過ぎ重機道に辿り着き切株に腰掛けてしばし休憩する。
N友さんが登ってみえ挨拶を交わす。よく見るとパンツが同じメーカーのもの、ファッショナブルなアラブのお姫様も認めたワークマンのパンツ、機能性が高くコスパが良い。
重機道西側の谷筋の自然木(カラスザンショウやアカメガシワ)の成長が著しい。小谷対岸の犬岩天辺に撃ち込まれたボルトにカラフルなテープ状の紐が数本下がっており自然の色合いの中で妙に目立っている。
10時00分に小谷登山道分岐点に到着、いつものようにベンチにリックを降ろしスマホでここからみえる風景を撮り母親とグループライン双石山に送る。植樹された飫肥杉が成長し樹間のパイオニアツリー(アカメガシワ・シロダモなど)も徐々に成長し視界が遮られていく。いつかここからの風景を楽しめなくなる日が確実にくる。
ここから親父の木方面にはロープによるバリケードが設置され通行止めとなっている。前回まではバリケード横に登山者による踏み跡があったが、この場所にも倒木(バリバリノキ)によるバリケードができている。
イワヤ神社をめざして進み、塩鶴登山道に合流、ここに案内板があり、四、五年前に案内板付近に腐生植物のタシロランが出たことがあり、平日の早朝(仕事前)に写真を撮りに登ったことがある。その後同じ場所でタシロランには出会っていないが、この時期になると毎年その場所を確認している。
イワヤ神社にて本日の安全な山行を祈願する。この頃小銭入れを持参せずパンツのポケットに賽銭用として小銭を入れている。
天狗岩取付きを経由し、右側急登を慎重に上がりスダジイ板根手前で、ふと見上げると小岩の岩壁に白い花が見え隠れする。リックから双眼鏡を取り出してピンとを合わせるとテイカカズラなのか、テイカカズラは山中で至る所で見ることができるが、その場所はほとんどが樹木に絡んでいる。
テイカカズラは常緑のつる性木本で枝にたくさんある気根を出して樹木に絡みつく、岩肌に着生しているのははじめてのような気がする。カメラを取り出してレンズをズームアップしてパチリ撮る。
空池に下りチェックストーンをくぐり王家の谷入る。壊れたステンレス三段梯子の東側岩壁の堆積砂の亀裂が大きくなっている。早く落ちて梯子下の天狗岩取付きから象の墓場へのアプローチの安全が確保されると良いのだが。
岩の上四兄弟の定位置にて休憩、今日は肌にわずかに感じる風が吹いて気持ちが良い、目線先のバリバリノキの一部の小枝が大きく揺らいでいる。林間で一部の山野草の葉だけが揺らぐのを見ることがあるが、同じ樹木でもじっとしている葉っぱと動いている葉っぱがある。
大岩下の梯子取付きで、分岐点でお会いした男性が下りてくる。第二展望台往復らしい。後に続いて4人家族なのかラフな格好の人達が下りてくる。父親は外国人、母親は日本人、男性二人は息子達なのかいずれも軽装でダニにやられないか心配になる。
尾根コースを選択、木の根とロープを頼りに三点確保で慎重に上り、途中カズオチェアー上の平地で岩に腰掛けて小休止する。ここから第二展望台までは10分まではかからないが、毎回ここで休憩をとり、次に出てくる垂直上りに備える。
11時21分に第二展望台に到着、展望台には誰もおらず早々にテーブルベンチにリックを降ろし、ここから見える宮崎平野をスマホで撮る。天気は良いが宮崎平野には薄い雲がかかっており県央の山並みは望めない。撮った写真を母親とグループラインに送ろうとするが「圏外」の表示となっている。
スマホの通信マークに受信があったことが表示されており、開くと山友のオッシーから電話があったよう、掛け直してみるがもちろん圏外のため繋がらない。
テーブルベンチに戻り、ベンチに仰向けになりハンドタオルを顔にあてて昼寝を楽しむ。15分ほど、うとうとしただろうか人の気配を感じベンチに腰掛け直すと一人の男性がみえる。この方は丸野から出発し渓谷沿いの登山口から入山し、ヒノキ分かれから尾根筋登山道の三叉路に登り第二展望台に来られたらしく「これから第三展望台経由で下りるつもりなのですが登山道はどうですか」と聞かれる。
折角なので、しばしお喋りに付き合っていただく。この方は現在県北に単身で行かれているらしく、以前は双石山に遠征のためトレニングを兼ねて来ていたらしい。お名前を聞くと日向市周辺に多いK田氏で「もしかして日向市出身ですか」と聞くと「そうです」とのことで、自己紹介すると私のことはトレイルランをされるAYさんという女性から以前聞いたことがあるらしい。
山友のO沢氏がほぼ同じ年代と思われる男性の方と一緒に登ってこられる。東側ベンチに腰掛けるなりリックから地図を取り出して眺めている。後でその地図を見せていただくことになるが県北の祖母・傾山・大崩山などが広範囲に表示されている。
話題は、先月14日に傾山で滑落により亡くなったK野のことで、どういう状況だったのかとしきりに気になさっている「あれだけ健脚で耐力もあったK野氏が」とおそらく双石山の常連さん達は誰もが思うに違いない。ここ第二展望台のテーブルにはK野氏手作りのストック掛けが設置されている。山小屋にはリック掛けがあることは前回のブログで紹介したが、O氏の話だと山頂にも数個リック掛けが設置されているらしい。
O沢氏は先月大崩山に単独で登られたらしく、途中で足が麻痺し動けなくなり遭難を覚悟していた時に、出会った若いペアの方から芍薬葛根湯68をいただきどうにか足の麻痺が治り無事に下山することができたらしい。どんな山でも単独行動は慎重にならなければいけない。特に県北の大崩山は山自体が深く行動時間が10時間近く必要となる場合がある。
O沢氏は第二展望台で私に会うことができたということで、山小屋や山頂には行かずここで下山することになる。O沢氏と一緒に来られた男性は日南市飫肥地区出身の方で、興味深い話を聞くことができた。
トレイルランの男性が登ってみえしばらく休憩されているので話しかけしばし談笑する。この方は綾町の方でM田氏といい、この周辺で美味しい物を食べられる店はありませんかと聞かれる。
この周辺で美味しいものが食べられる場所「う〜ん」しばらく考えて出てきたお店が、宮医大生が通う「田舎屋食堂」、エスニック料理の「ハロハロ」、和食で比較的安価な「うお佐」、そして私が若い頃通い続けた店でアイスカッチャンで有名になった「ビーインズ」があると答える。
14時40分に下山開始、谷コースを選択、今回は岩の上四兄弟取付きでの小休止は無しで小谷登山道分岐点まで一気に下り、15時17分に分岐点に到着しベンチにリックを降ろし休憩する。
第二展望台からここまで27分で下りてきたことになり今までで最速かもしれない。そういえば13時過ぎにオッシーと電話が繋がり、その時点で親父の木周辺にいたらしいが、あれから1時間以上経っているので、すでに下山しているのではと思っていた。
分岐点を出発しカエル岩手前でオッシーに遭遇「柴さんあの植物はなんですか」と、ここ数年で植物に詳しくなったオッシーから聞かれる。枝先に葉っぱ集まっておりウコギの一種かとも思ったが、確証が持てず「調べてみて、宿題ね、後で教えて」と答えてしまう。
オッシーは分岐点周辺の植物の同定をしていたようで、オッシーのブログ「自分なりに」の最新版が楽しみ。
15時50分に小谷登山口に下山、本日の無事なる山行と新たな出会いに感謝し山に一礼する。
小谷登山道分岐点から
小岩の岩壁のテイカカズラ


王家の谷に入り正面に「岩の上四兄弟」の岩
左から アカガシ、イスノキ、ウラジロガシ、カゴノキ、
いずれも双石山に多く自生する樹木達


第二展望台から宮崎平野を望む

オオバウマノカズラ

ネジキ開花
ウスキムヨウラン花後

ウスキムヨウラン開花

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