8月最後の日、朝から快晴、2階居間から見える山は緑が光り輝いている。天気予報では宮崎は太平洋高気圧の縁にあたり局所的に雨雲が発生する可能性があるらしく、雨具として折り畳み傘をリックに入れる。本日仕事の次男を最寄り駅まで送り一旦帰宅して登山の準備、ここ数回何かを忘れることがあり注意しながら準備する。
8時32分に自宅を出発しマックスバリューに立ち寄りザルソバとカキ氷と冷凍ペットボトルを購入する。ここでカキ氷を入れるシェラカップを忘れたことに気づき自宅に戻り再度出発、あれほど忘れ物が無いようにと気をつけていたのに。
8時36分に小谷登山口前に到着、駐車場には山友の廣重氏とシスターコーヒーさん二人が談笑中、とりあえずウィンドーを降ろし挨拶を交わす。第二駐車場前でUターンし前回同様登山口前駐車場の東端に縦列で止める。
二人に近づき再び挨拶ししばし話し込む、廣重氏とは昨夜電話で話をしており、昨日は師匠とオッシーと三人で夏エビネ観察のため登っていた。私は年間50回を目標にしているがこの三人は私の3倍近く双石山山系に入っている。
廣重氏から以前、お願いしていた「双石山」ロゴ入りのペンダント2種類をいただく。一つはハットの側面に、もう一つはウエストポーチのマジックテープに取り付ける物で廣重氏オリジナルの逸品でキーホールダー状のものは個数限定で加江田渓谷入り口にある「まるちゃん」で販売するらしい。
廣重氏は2日続けての双石山山系で今日は同じ探検隊のキジちゃんとハヤブサ親子の観察し、その後場所を移動し熊鷹の観察をするらしい。山中に設置した定点ビデオでの野生動物観察、そして猛禽類観察と大変興味深い取り組みをやっている。
シスターコーヒーさんが「私は遅いのでお先に」と登山口をスタートされる。その後もしばらく廣重氏と今秋企画している入郷地区探訪の件であれやこれやと話が弾み、9時24分に一人で登山スタートする。登山口横にあるステッキボックスにある竹製の一本を久しぶりに手に取る、握り手のところにステッカーが貼ってあり、製作者の名前が半分ほど読み取れる。
富士山で使われている杖にしては短いので他の山か山中の神殿にお参りする時のために作られているのではと思いながら、暑い日差しを受け足早に天然林で木陰となる分岐点をめざしてひたすら登る。途中前回までは感じなかったが親子岩手前の登山道部分の木陰が増えている。
犬岩天辺に付けられたカラビナ、そして岩肌のチエーンが光っている。自然の中の人工的な光る物は目立つ、早く撤去してくれればと願っている。
9時39分に小谷登山道分岐点に到着、登山口から15分の行程、別に早足で登ったわけではないが途中の写真撮影や小休止はしていないので、15分間が一般登山者の目安となる。リックとカメラバックをベンチに降ろしてここから見える風景を撮り母親とグループライン双石山に送る。県央の稜線が綿雲の下にくっきりと見ることができる。
近くに自生しているツルギキョウの花芽がシワクチャな花弁を見せている。根元近いところにはしっかりと開花したものがありカメラを近づけてパチリ撮る。上から熊鈴の音が聞こえてくる。熊鈴を付けている常連さんは二人、一人はヘルメットおじさんだが小谷登山口の駐車場には車は止まっていなかった。もう一人はタミさんでイワヤ神社方面から下山されてくる。挨拶を交わし少し談笑し別れる。
分岐点からは自然林の中を登ることになり陽射しはないが急な登りが続くため汗がふき出してくる。イワヤ神社で本日の無事なる山行を祈願、足元に数匹のアブがまとわりついている。天狗岩取付きまで登り、ここでハットからヘルメットに被り直し、合わせてアブ対策として蚊取り線香に火をつけて腰にぶら下げる。ここまでお世話になった竹の杖を岩に立てかける。下山時に残っていれば再度登山口まで使うことにする。
ここから第二展望台までは急な登りが続きヘルメット着用をお勧めしたい。天狗岩右側をロープと木の根を頼りに登り上で岩の隙間を四つ足で潜り、その後は滑りやすい岩肌に注意しながら空池の底に下りチェックストーンを抜け王家の谷入る。
ここで下山途中の松元氏と出会い挨拶を交わし談笑する。山友の松元氏はいつもと雰囲気が違う、そう松元氏もヘルメットを着用している。白いヘルメットにアブ避けとしてledライトを付けられている。以前お会いした時に「私もヘルメットを被らないといけない」とおっしゃっていた。話を聞くと他の山で2回転倒し一度はおでこを打ち、二度目は鼻を打ったらしい。そして山以外でも転倒したことがありヘルメットの必要性を感じたらしい。
腰に下げた蚊取り線香が効いているのか先ほどまでいたアブがいつの間にかいなくなっている。岩の上四兄弟手前の風穴で岩に腰掛けて小休止、地表面を流れる冷気を団扇で顔元に送る。岩の上四兄弟の定位置での休憩はなしで、そのまま登り次の分岐点で尾根コースを選択、最初のステンレスハシゴの同じピッチの登りは何故か苦手で、不規則な登りの方が楽な気がする。大岩取付きでの小休止はなしで、次の休憩はカズオチェアー上とする。ここは平地となっており周りの樹木にプレートが付けられている。
ここから次の分岐までロープカ所が二カ所、慎重に登り、分岐点を過ぎて尾根筋手前に一カ所ロープがあり、それを登ると第二展望台は間近となる。分岐点の案内板を過ぎての登りはほんの僅かだが息が上がる。テーブルベンチが樹間に見え、テーブルの上にはコーヒーを入れるための用具が並んでいる。肝心のシスターコーヒーさんの姿は、さらに登るとベンチに仰向けに寝転んだ体がムクッと起き上がり挨拶を交わす。
10時50分に第二展望台に到着、王家の谷入口での松元氏との談笑のためか1時間30分、早々にリックとカメラバックをテーブル横の台に置き、まずはここから見える宮崎平野をパチリ撮る。分岐点から見た空とは違い青空にさまざまな雲がダイナミックに浮かんでいる。私のスマホは第二展望台では圏外となるためここからラインにアップできないが、時折圏外から1本アンテナが表示されることがあり、確認すると山友の吉田氏から10時3分に「小谷を出発します」とメッセージが入っている。
そういえば山友の高瀬氏の車が小谷登山口前に止まっていたので、前回同様に高瀬氏が山頂往復してからの帰路ここ第二展望台でご一緒することになりそう。リックからカキ氷を取り出しシェラカップに入れてシスターコーヒーさんといただく。カキ氷はいつも二つは購入し第二展望台で出会った方と一緒に食べるようにしている。山小屋での焼き芋のように保存し登山者がみえた時に食べていただくことができないため、最初に出会った方に食べていただく。
シスターコーヒーさん、毎回のことだが美味しいコーヒーを準備してくれる。そこへ吉田氏が登って見え一緒にテーブルを囲み、しばらくすると山頂往復してきた高瀬氏がみえ四人でランチをいただきながらそれぞれの近況をあれやこれやと談笑する。そこへ常連のY山氏が登ってみてしばらく一緒にテーブルを囲み談笑しY山氏は午後からの所要のため下山される。
時折、加江田渓谷側から気持ちの良い風が吹き上げてくる。一人の男性が登ってみえる。久しぶりにお会いするS本氏でおそらく一年ぶりくらいで「柴さんに会えるのではと思い登ってきました」とのこと、嬉しいことだがS本氏のあまりの軽装に正直唖然とする。リックはなくパンツのポケットに500mlのペットボトル一本だけで、以前よくお会いしていた時は必ずリックを担がれていた。奥さんも山登りが好きでお友達と一緒にいる時にも何度もお会いしている。
S本氏は、長年やっていた事業を数年前に息子さんに引き継ぎ、新たな事業に取り組まれていることは知っていた。話を聞くとストレスが多そうで、思わず先輩に対して「もうそんなに働かなくても良いのでは無いですか、週に2回ほど山に登られては、そして1回はここ第二展望台や山小屋で一緒にゆっくりとした時間を過ごしましょう」と提案してしまう。
しばらく5人で談笑後「先に下ります」とS本氏が下山され、その後加江田渓谷側から男性が登ってみえる。この方はY本氏といい以前、山小屋や小谷登山口でも数回お会いしているらしい。4人のスナップ写真を撮らせていただきブログにあげることを了解いただく。
山友と話しながらも宮崎市街地に浮かぶ雲が気になる。宮崎市有田地区あたりに白く浮かんだ雲の下に局所的に雨が降っているのかグレーの部分が見える。低く棚びく白い雲の上部は入道雲のように空高く伸び上がっている。
雨が降っているのか、そのグレーの部分が徐々に大淀川西岸に近づいていく。高瀬氏がスマホの天気予報を確認するとその部分が真っ赤になっている。近頃よく耳にする線状降水帯とは違うが局所豪雨をもたらす雲に違いない。朝天気予報で言っていた太平洋高気圧周辺での注意事項とはこのことだったのかと思う。
15時30分、第二展望台で4時間以上過ごし下山を開始する。毎回先頭を歩くようにしており尾根筋まで下り、吉田氏、高瀬氏と続いて下りてきても、いっこうにシスターコーヒーさんがみえない。登り返すとどうやら車の鍵がないらしい。いつもリックのウエストベルトのポーチに入れているが見あたらず、リック内と洋服のポケットを探すがどこにもない。どうやらどこかで落としたらしい。
それではとシスターコーヒーさんが登りで辿ってきた登山道を探しながら下ろうということになり尾根コースを下りる。上りはひたすら手元足元を注意しながら登るが下山中は足を下ろす部分を含めて広い範囲を確認することができる。
吉田氏が、駐車場付近に落としたのではとの判断で足早に下りて行かれ、三人で登山道を注意深く、落ち葉が重なっている場所ではより注意しながら下りるが、結局見つけることができず休憩地点の小谷登山道分岐点に辿り着く。すでに登山口に下りているはずの吉田氏からまだ連絡はない。
休憩もそこそこに下山再会、涼しさが標高が下がるにつれて全身がムッとした空気に包まれていく。16時32分に小谷登山口に下山、吉田氏から「登山口、駐車場にも落ちていない」とのこと、私も山中での落し物があった時に置いておくアルミ製の掲示板を見るがそこには無い。
シスターコーヒーさんからは最寄りの木花駅まで送って欲しいとの話があるが、高瀬氏より大変だから自宅まで送っていくと言われる。リックを車のところに降ろし再度登山口周辺を確認しようと近づくと、県道脇に別に山グループが設置している掲示板の左下に黒いものがあり、よくよく見ると車の鍵ではないか、シスターコーヒーさんが確認するとその鍵だとのことで、4人で良かった良かったと一安心する。
吉田氏の話では、登山スタート前にその掲示板のアクリル板を左右にスライドしていた女性がいたとのこと、時間帯そしてその女性の車のことから判断すると山友のタミさんではないかとの話になる。今日も小谷登山道分岐点で下山途中のタミさんに会っているが連絡先がわからないのでオッシーに後で確認していただくことにする。
鍵が無事に見つかったこともあり、登山口で本日の無事なる山行と出会いに感謝し再度山に一礼する。