双石山 2025年10月13日 『仙樓巖』

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 今日次男は仕事、まずは最寄り駅まで送り、一旦自宅に戻り再出発し8時26分に小谷登山口に到着する。

 登山口で掲示板を見ている男性に声をかける。この方は山友3人で長崎県から来たらしい。話を聞くと初めての双石山でいろんな山岳雑誌で双石山のことが、魅力的な山だと紹介されており、一度は登りたいと友人2人を誘って来たらしい。

 男性から「ウエストポーチに付けている双石山のブローチが良いですね」と声をかけられ「山友が作ってくれたものです」と返答する。以前このブログでも紹介しているが廣重氏にお話して私専用に特別に作ってくれた物でマジックテープで貼り付けられる。

 第二駐車場側から、ご夫妻なのか二人が近づいてきて挨拶した時に「柴さんですよね」と声をかけていただく。話を聞くと昨年の11月に山小屋で一緒に囲炉裏の火を囲みヤキイモを食べていただいたN氏夫妻だった。

 カメラバックのポケットに入れている出会いリストを確認すると・・2024年11月8日(山小屋 2回目の九平下山後に道迷い)・・とコメントを入れている。N氏夫妻は山頂を経由し間違って九平登山口に下りてしまい、その後県道27号線を小谷登山口側ではなく椿山公園方面に進み、途中で気が付き、九平登山口から登り返し山頂経由で小谷登山口に戻る途中で山小屋に立ち寄られた。

 8時45分に登山スタート、親子岩上で下山途中のY本さんと出会いしばし立ち話、Y本さんは先月谷川岳に遠征されており、その時の山行について話を聞く。

 Y本さんからは先週双石山で2件の事故があったことを聞くが詳細についてはご存知なかった。その後山友からの情報だと、1件は谷コースを登り本来ロープカ所そして大タブノキ広場を経由するルートだが、事故者はロープカ所取付きでそのまま谷筋を真っ直ぐに登ったらしい。

 この場所は、そのまま登ると尾根筋登山道の馬の背に上り詰めることになるが、谷筋を上に行くに従い傾斜が急になり最終的にはほぼ垂直に近い斜面となり過去にも数件事故が発生している場所である。

 9時3分に小谷登山道分岐点に到着、丁度先行していた長崎県からの男性3人が休憩終了しスタートしようとしていた。象の墓場について聞かれるが現在墓場へのアプローチが通行止めになっていることを説明する。

 ベンチ横に自生しているツルギキョウがたくさんの実を付けているが一輪だけ登山道側に花を付けている。下山中に山友の吉田氏から教えていただくことになるが葉裏にはまだたくさんの花が咲いていた。

 ツルギキョウは宮崎県では絶滅危惧種に指定されており、できれば種を採取して自生に適した場所に蒔いておくのも一つの手かもしれないが、自然な物なので自然に増えるのを期待する。

 イワヤ神社にて本日の山行の安全を祈願し、天狗岩をめざして進む。取付きでリックを降ろしてハットをヘルメットに被りなおす。

 今週、清武町の安井息軒(1799年〜1876年)資料館を訪ね息軒が31歳の時に弟子六人と一緒に双石山に登った時の資料について調べた。山中で息軒と弟子達はいろんな場所で漢詩を残しており、ここ『針の耳』での漢詩もある。

 その時の紀行文に「・・・此の『針の耳』というのは、實に適せぬと云う評から『仙樓巖』と名づく、銘々に詩が出来たので、其の巨巖の一角に書き残す」という記述がある。もし銘々の漢詩を掘り込んでいるのであれば残っているのではと思うが、すでに196年経っている。時間がある時にでも探してみよう。

 天狗岩右側の急登を慎重に上り途中で今夏に気付いた硫酸マグネシウム結晶の層を観察、今日は結晶上に砂が覆っているため以前見た真白な姿ではない。前回までなかった足跡が棚スラブの奥の方まで付いている。

 急登上で、今日もドングリを拾っているとまずは一人の男性が、次に二人組の女性が挨拶を交わし隙間ルートではなく先行される。空池に下りチェックストーンをくぐり王家の谷に入る。風穴前ではなく岩の上四兄弟の定位置で小休止する。先ほど先行された一人の男性が化石広場をスルーしそのまま谷筋方向に進まれたので「そこは左側がルートですよ」と大きな声で伝える。

 尾根コースを選択し、大岩取付き、カズオチェアー上で小休止し、最後のロープカ所取付きまでくると上に常連の牟田氏の姿が見える、距離があったため声はかけなかった。

 10時6分に第二展望台に到着、登山口で出会った男性三人組が出発しようとされており、言葉を交わしテーブルベンチにリックを降ろし休憩する。20分ほど休憩、自宅から持って来た酒饅頭とバナナを食べる。

 第二展望台を出発し山小屋をめざして尾根筋登山道を進む、大きなユズリハの木を過ぎ、岩登りルンゼルートを登り詰めた登山道脇で今年初めてタマゴダケを見かけた。白い外皮から真っ赤な球体が顔を出しており、カメラを取り出しパチリ撮る。

 11時0分に山小屋に到着、板間にリックとカメラバックを降ろし、まずは前回数匹見かけたスズメバチが小屋内に巣を作っていないか確認、その後で焚き付けとなる小枝を拾うためにいつもの場所に向かう。この時期は焚き付けに適した杉の枯葉がなく枯れた小枝を集める。

 囲炉裏上のレンガを片側に寄せ、灰床をスコップ二杯分ほど掘り集めた小枝から並べ火を付ける。鉄網の上に持参したサツマイモを、鉄板の上にドングリと銀杏を乗せる。サツマイモが焼き上がるまでほぼ45分、こまめに焼き面を火バサミで入れ替える。

 山頂往復してきた野崎氏夫妻がみえ一緒に囲炉裏の火を囲む、すでに焼き上がったヤキイモを野崎氏に渡して食べていただく。奥さんから「柴さんコーヒーはお好きですか」と聞かれ「事務所で毎日楽しんでいます」と答えると、高千穂峰登山後に地元の店で手に入れたというコーヒーをいただく。

 13時頃に山友の吉田氏がみえ一緒に囲炉裏の火を囲みあれやこれやと談笑する。いつも下山時に分岐点周辺で出会う鈴木氏が女性二人と一緒にみえ北側テラスのベンチで休憩される。三人その後山頂をめざし九平登山口に下りるらしく、折角なのでヤキイモを差し入れする。女性の方から手作りの栗きんとんをいただく。

 男性がみえる、この方は鹿児島の指宿から来られたM氏といい、しばらく一緒に囲炉裏の火を囲み談笑する。

14時45分に吉田氏と一緒に山小屋を出発し下山開始する。

 岩の上四兄弟取付きで休憩していると女性が一人で登ってくる。話を聞くとキバナノホトトギスの花を見に来たらしい。この方、宮崎大学医学部のワンゲルOBで現在県外に勤めているHさんといい連休を利用して宮崎に来たらしく、学生時代に慣れ親しんだ双石山に足を運んだらしい。

 宮崎大学医学部のワンゲル部といえば、まず思い出すのが、A木さんで一昨年の12月中旬部活動として部員と一緒に山小屋に来た時に、以前お会いしヤキイモを食べたことを覚えていたのが「マイヤキイモ」を持参し「柴さんこれ一緒に焼いていただけますか」と渡されたことがあった。

 その他にも昨年12月に当時部長をしていたT田君、京都嵐山出身のA木君、熊本出身のI村さんと一緒に囲炉裏の火を囲み話をしたことを覚えている。Hさんに後輩達の話をするとA木さんのことは知っており、もしA木さんにあったら「平成29のH」と伝えれば分かりますとのこと。医学部の場合は最低6年間は同じ場所で過ごすことになりワンゲル部でさまざまな思い出をここ双石山で作ったのではと思う。

 時間的に遅いので三人一緒に下山し、Hさんはキバナノホトトギスのかわりに分岐点のツルギキョウを楽しんでもらう。

 16時30分に小谷登山口に下山する。本日の無事なる山行と新たな出会いに感謝し山に一礼する。


小谷登山口駐車場
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小谷登山道分岐点からの風景
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リュウキュウマメガキ
小谷登山道分岐点から撮影
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ツルギキョウ
小谷登山道分岐点にて
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タマゴダケ
尾根筋登山道にて撮影
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囲炉裏にて焼き芋
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囲炉裏の火を始末
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山小屋北側テラスから
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ステンレス三段梯子上部の亀裂
吉田氏いわく「隙間が広がっているのでは」  ?
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by mutumi48 | 2025-10-17 11:52 | 双石山へ | Trackback | Comments(0)

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