初日の夕食用に焚いた羽釜ご飯がやわらかすぎたため、3日目朝食のご飯は私が炊くことになる。朝食用と昼飯のおにぎり用として計8合炊くことになり、半分を羽釜で、残り半分を電気炊飯器で炊くことになる。
羽釜と炊飯器では水の量が違う、羽釜の場合は火力が強くなるので炊飯器の場合より一割弱水を多くする。朝早めに起きて、まずは米を研ぎ40分ほど付け置きし、その間にカマド用の薪を準備する。
羽釜ご飯Kの準備

板の間に石油ストーブはあるが、やはり囲炉裏の火が暖かい、カマドの火を火付として囲炉裏に移し師匠に薪を加えて火を起こしていただく。

朝食メニーは、ご飯、味噌汁、卵焼き、サバ・シシャモ・シャケの焼き魚、納豆と豪華なメニューとなる。
皆が食べ終わった後、今回の囲炉裏塾の感想を皆さんに一言づつ話していただく。私のミスで実施できなかった「双石山カルタ大会」は残念だったが、初日の「師匠語り」とひろパパさんの「双石山のハヤブサの子育て」レポートは大変興味深かった。
二日目の吉田氏が現在関わっている「加江田川流域のエコツーリズム事業」を参考に、今回の塾参加者が今後どのように双石山に関わっていこうとしているのか、それぞれの話が聞けて大変参考になった。


「したしぎ」のチェックアウトは午前10時00分、それまでに使った調理器具、食器、寝具を整理し、あとは各部屋のお掃除をする。来た時よりもさらに綺麗にを合言葉に参加者が各自着々と進めていき時間内に終了する。

それまで閉まったままだった縁側の雨戸を開けて縁に腰掛けて集合写真を撮る。第一回目の時もここの縁側に座り写真を撮っていた。縁側を開けると囲炉裏のある板の間の向こうに切り取られた七つ山の風景が見える。
やましぎの杜 出発


やましぎの杜」を出発し、まずは受付場所となっている「しいたけの館」に行き、鍵を返却する。その後、吉田氏からリクエストがあり、塚原神社で支障木として切り倒された樹齢約200年生の杉の切株を見にいく。
この杉の伐採はユーチューブで紹介されており以前パソコン上で見ていた。切られるところから切った後、熊本の木材市場に持ち込まれセリで持ち主が決まるところまでをドキュメントとして紹介していた。近年台風災害などでの被害防止のためか神社や街場での高木の伐採が多くなった。
塚原神社

神社境内には本殿から少し離れた所にイチイガシの木があり、根元にはたくさんのドングリが落ちている。ドングリは、ブナ属、クリ属、コナラ属(コナラ亜属)、コナラ属(アカガシ亜属)、マテバシイ属、シイ属の概ね22種類の実の総称として「ドングリ」と呼ばれている。
双石山で見られるのは、コナラ、アカガシ、ウラジロガシ、アラカシ、イチイガシ、マテバシイ、ツブラジイ(コジイ)、スダジイ(イタジイ)の9種類である。
ルンゼ登山口から登った所にハナガガシと思われる木があるが同定が難しい。

森の動物達はドングリを食物としているが、ドングリによっては、我々がそのまま食べられるもの、火を通せば香ばしくなる物、そして加工しアク抜きをして食べられるものと多彩で有り、この季節、双石山の山小屋囲炉裏の火で炙って食べているものはマテバシイである。
山小屋囲炉裏のメインは焼き芋だが、合わせて銀杏とマテバシイを良く口にしている。囲炉裏の火を囲んだ登山者のほとんどが「ドングリは食べられるのですか」と聞き、香ばしく炙ったドングリを口にすると「思ったより美味しいです」と言われる。
ここで、ひろパパさんがイチイガシの堅い殻を剥き、中の綺麗な実を私に手渡してくれ、それを何も考えずに口に入れてしまった。
双石山ではエグ味の無いドングリはクリとシイ類だけで、他はエグ味があるからそのままは食べれないと常々言っているのに、ついつい口の中で実を噛んでしまった。
リュウキュウマメガキの実もそうだが、じわっとエグ味が口の中全体に広がり、「ええ・・やられた」と、ひろパパさんとオッシーは「してやったり」と嬉しそう。
イチイガシのドングリ

次の目的地は「池の窪」塚原神社から20分ほど登った所で、敷地内にはログハウスのレストランやコテージがあり、アスレチックの設備も充実している。
「やましぎの杜」が整備されるまで、数回ここのコテージに宿泊したことがある。標高が高いため役場周辺で積雪がなくてもこの場所では雪景色を楽しむことができる。
また近くに・・展望台があり、展望台に登れば満点の空を360度フルに楽しむことができ、冬の寒い中星空を見るために通ったことがあり、遠くに延岡市内の灯りだけがわずかに見えるが、他は漆黒の闇で満天の星空はそれはそれは感動ものだった。
池の窪に上がる途中の集落にある金鶏寺背後の駐車場に車を止めて対岸に見える「平田組の民家」を皆さんに紹介する。
平田組集落の一軒を「したしぎ」と同じように改装し、体験交流の場所としている。「平田組の民家」は谷をまたぎ対岸に広がる風景を取り入れるため、前庭に東屋を設置し、オープンな囲炉裏スペースと、一般浴槽を使ったジャクジー風の開放的なお風呂を設置している。
暗闇の中、前面がフルオープンの浴槽に浸かり、正面の遠く離れた集落のまだらに点在する灯りを見ながら頭だけを寒風に吹かれるのは、なんとも言えないもの。

池の窪の芝生広場は、現在オートキャンプにも対応できるようにテントサイトには電源も準備してある。

池の窪の敷地内にコテージが点在している。

敷地内のクヌギ林には各種アスレチックが設置してある。

池の窪から車で5分ほど走った所にある展望所で、写真中央に以前は木造の展望台が建っていたが、現在建造物は撤去されて足回りにベンチが設置されている。この場所で見る星空は格別。


諸塚村を耳川沿いに国道・号線をランチ場所とした道の駅東郷をめざして進む。途中国道沿いの無人販売所で柿を購入し、またダムカード取得のため・・ダム、・・ダムでオッシーが写真を撮り、指定されたカード発行所に出向きカードをいただく。
道の駅東郷の東屋でランチタイムとする。おにぎりインスタント味噌汁を美味しくいただき、次の目的地は東郷福瀬神社の裏山に自生するハナガガシの林をめざして耳川沿いに美々津方面に進む。
ハナガガシは、世界でも四国と九州南部の温暖地だけに自生していると言われており、福瀬神社の裏山にあるものが最も樹高が高く、世界一と言われている。
神社駐車場に車を停め、鳥居を通り境内に入り本殿に参拝する。境内内にある屋根付きゲートボール場内を抜けて進んでいくと、近年の台風で倒れたのか数本の倒木が道を塞いでいる。脇を通り案内板の前に行き、そこから見上げるハナガガシを見ながら説明文を皆さんに紹介する。


世界一のハナガガシを見上げると、上部に数本のワイヤーが見える。以前来た時にもすでに設置されていたが転倒防止のためか、何か痛々しい。

世界一のハナガガシに別れを告げ、今回の第二回囲炉裏塾は全行程を終了する。あとは無事に集合場所とした新富町のルーピンをめざして10号線を南下する。
今回「やましぎの杜」での古民家での生活体験、囲炉裏の火を囲んでの山友との交流、私が10年間関わった百済の里南郷の一連の建物、秘境椎葉探訪(重要文化財・伝建地区)、そして入郷地区に自生する巨樹(八村杉・大久保の桧・松尾の大イチョウ・福瀬のハナガガシ)との出会いと多くの経験をすることができた。
三日間、天気は快晴で青空の下に奥深い山々を見ることができ、いつも見ている双石山から見える物とは違った風景を堪能することができた。
探検隊メンバーのキジちゃんが参加できなかったことは大変残念だが、9名の山友達と一緒に過ごした日々は、決して忘れることのない思い出となった。
来年、又は再来年にでも平田組民家での第三回目の囲炉裏塾が開催できればと願う。
終わり
今回紹介する写真は、ひろパパさんとオッシー撮影の物も含まれます。