9時23分に小谷登山口に到着、登山口前にはたくさんの車が止まっているが、登山口前に一台分のスペースがありそこに止める。小谷登山口前には男性の姿があり、いずれもトレイルランなのか登山にしては軽装な2人が何やら話し込んでいる。第二駐車場を見ると数台の車と登山者達の姿が見える。
登山準備を終えて第二駐車場に近づき県道から見える尾根筋と北壁を撮るが逆光のためか山肌は綺麗に撮れない。便所棟付近に4人の登山者、男性は常連のT橋氏で他の3人の女性達は同じ宮崎山岳会のメンバーらしい。
9時35分過ぎに登山口を出発、今日の天気は予報では午前中は晴れで、14時過ぎに傘マークが付いているが15時には曇りとなり、それ以降は晴れマークとなっている。最初の急登を上ると植樹されたヤマアジサイの木々が株たちの姿を見せている。
ここのヤマアジサイは、次に出てくるヤマボウシと同様に本来は双石山には自生していない樹木である。開花の時期は人目を引くヤマアジサイだが、花が落ち、葉が落ちるにつけてその姿は寂しくなる。寒さも少し和らいだせいか枝先に小さな芽吹きが見られる。そこで一句詠む。
植えられし ヤマアジサイの 移ろい地 芽吹の姿 愛おしきかな
葉の茂ったヤマボウシを横目に登山道を登っていくと、今は樹木で覆われてその姿が見えにくくなった親子岩がある。この岩は大きく二つに分かれており、上手の岩の割れ目には双石山山中に生息する日本猿の化身が姿を見せている。
その親子岩横の急登を過ぎ重機道に上がり、登山道脇に置かれた杉の切株に腰掛け、近くに自生しているツブラジイを見上げながら一句ひねり出す。
ツブラジイ 青空を背に 立ちつくす 変わらぬ姿 我が道標
9時56分に小谷登山道分岐点に到着、ベンチにリックを降ろしここから見える風景をスマホで撮り母親とグループライン双石山に送る。先ほどから第二駐車場で挨拶を交わしたT橋氏達の話声が風に乗って下から聞こえており、そこで一句詠む。
分岐点 ひと汗ぬぐえば 春風が 運びてきたり 山友の声
先ほどまで聞こえていたT橋氏達が登ってみえ改めて挨拶を交わす、グループの中には先月25日にもお会いした施主のA田さんの姿があり、2人で今年に入りA田邸を施工した監督さんからの情報についてあれやこれやと話し込む。
分岐点を出発しイワヤ神社をめざして自然林の中を登ると、登山道脇に自生しているヤブツバキがあり普段と違う姿となっていることに気が付く、大きな枝が主幹の生え際で切られている。この切られた枝は登山道側に伸びており登山者によっては邪魔だと思った人がいるのかもしれないが、正直「なぜ切らないといけないの」と考えてしまう。
山中で過ごすことはその自然を受け入れることだと思っている。危険を伴う物であれば理解できるが、邪魔だから不便だからという理由での現状変更はいかがなものかと思う。
急登の 道を遮ぎる ヤブツバキ 切られしこと 人の身勝手
イワヤ神社にて本日の無事なる山行を祈願してから天狗岩取付きに進む、取付きでは宮崎山岳会のメンバーで、はじめて双石山に登ったというHさんの感嘆の声が聞こえる。
天狗岩右側の急登を慎重に登り切り、今日は一旦右側の岩の隙間ではなくそのまま真っ直ぐと案内板のある所まで上り空池を上から眺めることにする。丁度T橋氏グループが岩の隙間を抜けて来たので写真を撮る。この場所からの眺めはより空池の深さを感じることができる。
そのまま下りることもできるが、一旦戻り岩の隙間を抜けようとした時にヘルメットおじさんが登って見える。挨拶を交わし「今日は遅い登山スタートですね」と聞くと「予定していたゴルフが急遽キャンセルになり双石山に来ました」とのこと、ヘルメットおじさんとは日曜日にお会いすることが多く、それも分岐点から第二展望台までの間でヘルメットおじさんが下山途中にすれ違っている。
空池を抜けてチェックストーン下を通過し王家の谷に入ると、ステンレス三段梯子付近に1人の女性の姿があり、よく見るとご自身で「山気狂いのYです」と自己紹介されたYさんで、「Y口さん」と声をかける。今までに山中や加江田渓谷の遊歩道で数回お会いしている方で、山好きなお友達とご一緒の時もあるが単独の時もある。
Y口さんに、今春考えている「双石山カルタ大会」のことをお話し実施する時には声をかけるのでぜひ参加してとお願いする。先ほどまで一緒だったヘルメットおじさんは先に進みその姿が見えなくなる。T橋氏グループが岩の上四兄弟取付きで小休止中、そしてそこで登山口で見かけたトレイルラン風の男性2人が何やら打合せをしている。
岩の上の四兄弟定位置の岩に腰掛けて小休止、ここまで登ってくると登山口や小谷登山道で聞こえていたウグイスの囀りは聞こえず、かわりに甲高い野鳥の声が谷に響き渡る。2人の男性の話声が耳に入ってくる、どうやら近々子供達グループを双石山に登らせる計画があるようだ。
尾根コースを選択し、まずはステンレス梯子、そして木の根とロープを頼りに大岩取付きまで登り、ここでも息を整えるために岩に腰掛けて小休止する。
大岩の上にはT橋氏グループと男性2人の姿がある。近頃、大岩天辺に登ることが少なくなった。以前は第二展望台までの休憩場所として大岩でリックを降ろすことが多かったが、大岩周囲の樹木が育ち、腰掛けた状態では風景を楽しむことができなくなった。
このブログ内の「双石山の名所・アイドル」というカテゴリで54年前の大岩で撮った写真を紹介している。ここでも改めて紹介するが大岩の上で腰掛けて休憩する友人3人の姿の向こうには鏡洲小学校付近を見ることができる。
▼ 54年前の大岩 ▼
高校卒業後に進学のため故郷を離れ、ほぼ10年後に帰郷してから2年ほど毎週末、ここ大岩の天辺にうつ伏せになり昼寝を楽しんだ時期があり、その時にも眠りから覚めた時には一旦座らなくても宮崎市街地の向こうに尾鈴山を望むことができた。そのことを思い一句詠んでみる。
大岩の 茂れる木々に 遮られ 昼寝の友の 尾鈴は見えず
10時53分に尾根コース中程にあるカズオチェアー近くの休憩場所に到着し定位置としている岩に腰掛けて休憩する。この場所をカズオチェアーと呼んでいるのは、30代半ばから仕事と子育てのため双石山から離れた時期が2011年の11月まで続くことになる。その年(2011年)の夏の高校時代の同窓会の席で友人のカズオ君が、私に「大崩山に連れて行って」と言葉をかけてくれたことがきっかけとなる。
カズオ君には「いきなり大崩山は無理だから近場の山で足慣らしをした方が良いよ」と返事をして、私も長らく登山からはなれていたので、単独で双石山登山を再開し翌年のゴールデンウィークにカズオ君と一緒に双石山に登り、その月に大崩山に2人でチャレンジすることになった。その時のことはカテゴリ「大崩山・比叡山」で詳しく紹介している。
その後も2人で一緒に双石山に登ることになり、尾根コースを登る時に彼が必ず休憩で使っていた岩をカズオチェアーと呼ぶようになった。現在、カズオ君は悪かった膝の一部を人工関節に変える手術を受けてリハビリ中で、ここ一年近く一緒に登ることができていない。
前回のブログ内でこのことを想い詠んだのが「尾根コース 汗を拭えば 目の前に 主なきままの カズオ岩たつ」いつの日がまた一緒に登れる日がくることを祈って一句詠んだ。今回は双石山の確信部分とも言えるこのコースを改めて詠む。
尾根ルート 次から次の 岩壁を 越えて歩みし 月日を思う
11時06分に第二展望台に到着、テーブルベンチにリックを降ろしてから、ここから見える宮崎平野の風景を撮る。しばらくするとT橋氏達が登ってみえベンチで休憩される。T橋氏から行動食のお菓子をいただき、合わせてリックからビニル袋に入ったサツマイモを取り出し「柴さん、いつもヤキイモいただいているから今日はサツマイモ持ってきました。山小屋までは私が持って行きます」とありがたい申し出がある。
シスターコーヒーさんが登ってみえテーブルベンチにて休憩、彼女は以前、T橋氏達と山小屋でお会いしており、グループ内のA田さんの名前も覚えており「A田さんご自宅で薪ストーブを使われているのですよね、素敵ですね」と声をかけられる。
シスターコーヒーさんに私のスマホを渡しT橋氏達が了解してくれれば一緒に写真を撮って欲しいと頼み、T橋氏達に「一緒に写真に入っていただけませんか」と声をかけると快く了承していただける。
まずは宮崎平野をバックにシスターコーヒーさんに撮ってもらうが逆光のためか顔がわかりにくい。そこで丁度登ってきた若い男性に「写真撮っていただけますか」とお願いする。今度はテーブルベンチ側を背にしてシスターコーヒーさんも混えて写真を撮ってもらう。
展望台 リュック降ろし 眼下に 霞たなびく 我が故郷は
「お先に山小屋に行ってます」と声をかけて第二展望台を出発する。尾根筋の三叉路手前でヘルメットおじさんと再会する。ヘルメットおじさん曰く、山頂往復し山小屋に立ち寄ったところ、すでに3人の登山者により囲炉裏に火が入っていたらしく、ヘルメットおじさんが私が山小屋に来ることを伝えたところ3人組の方達が囲炉裏の火の始末を私に託そうということになったらしい。
それまで3人組は山小屋で待機することになり、そのことを私に告げるためにヘルメットおじさんは尾根筋登山道を下りる途中で私を待っていてくれた。
登山道をヘルメットおじさんとしばらく山小屋方面に進みながら談笑する。ヘルメットおじさんは今日は桧分かれから麻畑に下り、そして登り返し、第三、第二の展望台を経由してから小谷登山口に下りるらしく、尾根筋登山道の三叉路で別れる。
12時前に山小屋に到着、小屋の中には以前お会いしたY名さんが1人でベンチに腰掛けている。挨拶を交わすと「N山氏は一緒にきたベトナムの若者と2人で山頂まで行っています」とのことで、囲炉裏はそれまで火を入れていた様子で、近くにはスコップで掘り上げたバケツ一杯分の灰ともしものためにと準備された水の入ったバケツが置かれている。
3人組とはY名さん達のことで、Y名さんとはじめてお会いしたのは2023年のクリスマスイブの日で、あの時はO倉氏とN山氏と3人で山小屋にみえて一緒に囲炉裏の火を囲んだ、そして今年の1月18日にもY名さんはN山氏と2人で山小屋にみえて一緒に囲炉裏の火を楽しんでいる。
Y名さんから、前回もいただいた宮崎市内で古くから市民に愛されている蜂楽饅頭をいただく。蜂楽饅頭のお店は市内中心部の若草通りアーケード内にあり、今年2月1日に山小屋で一緒に囲炉裏を囲んだN木田氏のお店がその正面にあるらしい。半世紀以上も宮崎市民に愛され続けている蜂楽饅頭のお店と、新たに宮崎のパタゴニア(ブランド)をめざしているというN木田氏のアウトドアウエアーの店との対比が興味深い。
囲炉裏の火が弱くなっているので杉の枯葉と小枝を探しに山小屋先のピークの巻道へ向かう。途中、加江田側に自生するモクレイシを観察する。山中で確認できた唯一のモクレイシの木で、開花時期は例年だと2月の20日過ぎだがまだ花を付けていない。この頃、山共達から「この時期に花をつける植物は何がありますか」と聞かれることが多い。
モクレイシ 共に探した あの人は 今は何処の 頂きを行く
この時期は確かに花を付ける植物は少なく、年末から初春まで見ることのできるサツマイナモリと、2月末に開花するモクレイシが目を楽しませてくれる。
山小屋に戻り、遅れて来たT橋氏グループと共にランチタイムとする。いただいたサツマイモを今日の私のランチメニューとして持ってきていたレトルトカレーのためのアルミホイルを使い2個だけ焼くことにする。
シスターコーヒーさんからお餅といつもの美味しいコーヒー、そしてY名さんからいただいた蜂楽饅頭と丸餅を一緒に鉄網で焼いて、いただくことになる。焼いた蜂楽饅頭は外皮がパリパリで中の白餡がしっとりとしてとても美味しくいただく。
お餅もいただくことになり、結局ランチとして準備してきた炊飯はせずに、皆さんからいただいた食材でお腹一杯となる。デザートとしてここ数回続いている私の大好きな金柑をシスターコーヒーさんからいただく。
皆さんが山小屋を出発された後、常連の大澤氏がみえ山小屋を出発するまでの時間、一緒に囲炉裏の火を囲んで過ごす。14時近くになると外が少し暗くなる、まだ雨は落ちてはいないが今朝の天気予報だと14時の一時間は曇りに傘マークが付いていた。いつもとすると少し早いが囲炉裏の火を始末して小屋内を掃除し14時05分にシスターコーヒーさんと大澤氏と一緒に下山をスタートする。
尾根筋登山道のイスノキ林手前で雨粒が地面にポツリポツリと落ちはじめたため、ここでリックからヤッケを取り出してベストを脱いで代わりに着用する。その間、大澤氏は「お先に」と先に下りていかれる。
朝スマホで天気予報を確認した時には、今日は下山時に雨が降るかもしれないから折り畳み雨傘をリックに入れなければと思っていたが、自宅を出かける時にはすっかり忘れていた。ヤッケは防寒のためにいつもリックに入れているので、雨具としては完全ではないが上半身が直接雨に打たれることはない。
シスターコーヒーさんは折り畳み傘を携帯しており、早々に傘をさして下山される。双石山では一時的な雨であれば折り畳み傘で良いのではと思っている。
いつもは下山途中に休憩する第二展望台・岩の上四兄弟の取付きでの休憩は無しで空池入口のチェックストーンの下で小休止する。ヤッケの下にきていたシャツが汗ばんできたため脱ぎ、インナーの上に直接ヤッケを着ることにする。
空池の登りの岩場、そして天狗岩横の急登を慎重に下りて天狗岩の取り付きに到着、その後で足元の岩に気を付けなければいけないのは天狗岩とイワヤ神社との中ほどまで、ただしその後の登山道も雨で土が濡れて滑りやすくなっているので慎重に下りる。
分岐点に到着、ベンチは濡れているためショウベンノキ(正式名称)の下で、しばしの小休止雨宿り、正面の岩が久しぶりの雨を吸い込み、若杉の木立の中その存在感を出している。
15時15分に小谷登山口に下山、本日の無事なる山行と出会いに感謝し山に一礼する。
小谷登山道 登山口前の駐車スペース

第二駐車場奥に双石山の稜線と北壁を望む

小谷登山道 親子岩上のツブラジイ

小谷登山道分岐点から北方を望む

イワヤ神社手前の急登脇のヤブツバキの枝が切られている
切られた枝の切断面
自然のヤブツバキの年輪幅は0.6mm程度と聞いたことがある。
次回スケールを持参して確認してみる。

天狗岩を見上げる宮崎山岳会の4人
空池を見下ろす


岩の上四兄弟定位置に腰掛けて化石広場を撮る
尾根コースの小休止場所より

第二展望台から宮崎平野

宮崎山岳会メンバーと共に


囲炉裏の火を始末し下山開始する

山小屋北側テラスから日向灘

雨に濡れた小谷登山道分岐点
