山友の新居ベランダから
左側に槍が頭を出している

先月、宮崎を離れ子供家族が住む松本市に移住された、双石山をこよなく愛されてきた杉山氏(確か今年86才になられたと思う)からメッセージと写真をいただいた。新居マンションのベランダから撮られたという写真には、雪かぶる北アルプスの稜線が連なり、尾根にわずかに槍が頭を出している。そこで返信のメッセージと共に短歌を詠み送った。
山友は 故郷を離れ 雪かぶる アルプス仰ぎ 新たな門出
山友よ 望み立つ場を 遠方に 望む場に立ち なること祈る
昨日の土曜日は、私が所属する団体(ひむかヘリテージ機構)の研修会があり、講師として、ここ10年ほどお世話になっている大学の先輩でもある京都在住のS氏にきていただいた。S氏も山が好きな方で北アルプスをはじめいろんな山に登られており、以前から「双石山に一緒に登りませんか」とお誘いしていたところ、急遽月曜日に都城市内での打合せが入り日曜日が丸一日開くことになり双石山にご一緒することになった。
土曜日はS氏との懇親会のため実家に泊まり、翌朝S氏の宿泊先まで迎えに行き、その足で双石山をめざし8時30分に小谷登山口に到着する。
前日のラインで「・・柴さん行かれますか?・・・」とメッセージを入れてくれた廣重氏はすでに到着しており、挨拶を交わすと「これどうぞ」と手作りのゴム銃をいただく。
ゴム銃は、私の名前入りで、合わせて次男の分まで作ってくれる(ありがとう)。ゴム銃は探検隊の必需品でメンバー全員(4名)がいつも持参しており、休憩時には途中で拾い集めたドングリを玉にして楽しんでいる。
しばらくすると小八重氏がみえ挨拶を交わし先輩のS氏を二人に紹介する。登山の準備を終えて9時7分に小谷登山口を4人でスタートする。今日は気温は低いが快晴で緑濃い稜線の向こうは真っ青な空が広がっている。
植樹されたヤマボウシの木立まで来ると、遠くから熊鈴の音が聞こえてくる。登山道先を見ていると、見慣れたヘルメット姿のヘルメットおじさんが下りてくる。挨拶を交わしてしばし談笑、今日は山小屋までのピストンということで、毎回のことだが囲炉裏火の焚き付けの杉の枯葉を置いてくれたらしい。いもありがとう。
ヘルメットおじさん情報によると山小屋囲炉裏がきちんと後片付けがされていないらしい。
9時27分に小谷登山道分岐点に到着、登山開始から20分といつもよりゆったりとしたペースで登っている。
小休止後にイワヤ神社をめざして照葉樹林帯に入り、急登途中で前々回より気になっているヤブツバキの切断面を観察する。今日はスケルトンのスケールを持参しており、それを切断面に置いて年輪幅を確認する。
イワヤ神社にて本日の無事なる山行を祈願して天狗岩をめざす。はじめてのS氏にぜひ紹介したい場所が「天狗岩」と「象の墓場」そのためのコース設定を色々と考えて象の墓場は下山途中で案内する。
天狗岩、空池を経由して休憩場所としている岩の上四兄弟に到着、いつもの岩に腰掛けて休憩後に化石広場で鳥の囀りが聞こえてくる。日本野鳥の会宮崎支部の会員でもある廣重氏に「あの鳥は前回空池でも聞いたけど、ミソサザイ?」と尋ねると「そうです」との返事がある。
これで覚えた野鳥の囀りは、ウグイス・アカショウビン・ハヤブサ・ミソサザイとなった。山中まだまだたくさんの野鳥がおり、私が数年前に双石山と加江田渓谷周辺で確認された野鳥を元にカルタを作っているが、その枚数は40枚あり、その囀りを覚えるのは大変である。
尾根コースを選択しS氏に大岩を紹介、廣重氏がS氏に付き合い大岩天辺に登ってくれる。私は大岩取付きで大岩にかかっているチェーンについて設置した小八重氏からその時の経緯について話を聞く。このチェーン設置についても一つの物語があるが、そのことは後日紹介する。
次の休憩はカズオチェアーで、岩に腰掛けてしばし談話、ここまでの登山道で3人に今年からはじめた登山途中での短歌作りについて説明し、これまで詠んだ短歌をそれぞれの場所で披露しており、ここでも今は一緒に登ることのなくなった友人のことを詠んだ短歌を披露する。
そこで、廣重氏曰く「山好きな人は、まず野鳥にはまり、最後に短歌にはまる」と彼の奥さんに言われたことを披露してくれる。「う〜ん、なるほど」
11時8分に第二展望台に到着、いつものようにここから見える宮崎平野をスマホで撮る、真っ青な空に僅かに筋状の雲があり、はっきりとは見えないが尾鈴山(1405m)から西に連なる県央の稜線が望め、その向こうに市房山(1720m)そしてその右側に石堂山(1547m)も頭を出している。
ここで廣重氏が手作りのゴム銃と取手のとれたシェラカップで作ったという的を取り出して「ゴム銃大会」さすがに探検隊メンバー二人は5割以上の的中率で、私は一度当てただけで終わった。
11時57分に山小屋に到着、エリアマップの入ったボックス横にはヘルメットおじさんが拾い集めてくれた杉の枯葉にヤブツバキの花が添えられている。いつもありがとうございます。
山小屋に入ると、二人の男性が休憩していたのか、そろそろ出発する準備をしている。囲炉裏は悲惨な状況で少しだがアルコールの臭いがする。その状況から昨日以前に使われたのではと思う。
囲炉裏の耐火煉瓦の上には大量の焚き火に使った薪がそのまま残されており、おそらく火を消すのに大量の水をかけたようだ。そして鉄筋で作られた格子もそのまま載せられている、これを使った人は全く山小屋にそして山小屋を使う登山者への敬意がない。
囲炉裏をまず片付ける、水で消された大量の薪をバケツに移し、次は湿った消し炭と灰を別のバケツに集め、そして湿った灰がこびり付いた耐火煉瓦を一個づつ取り出して外に並べる。
囲炉裏に火を入れるのは小八重氏にお願いし、薪となる枝を集める。北側テラスにはまだ大量の竹が残されているので、いつか鋸を持参して薪で使える長さにカットしなければいけない。
菅澤氏は山頂まで登ることになり一人で山小屋を出発される。囲炉裏に火が入りランチの準備、今日のサツマイモは紅はるか、廣重氏のランチは山小屋で作るたい焼きで、パンケーキの粉と水そして餡子を準備し専用のフライパンを使い焼いていく。
小学校低学年の男の子が5名山小屋に入ってくる、外には父親なのか数人の男性の姿がある。
囲炉裏を囲み座った子供から「何を焼いているのですか」と聞かれ「お芋を焼いているよ」と返事をすると「ヤキイモ食べたいです」との要望があり「1個だけで良かったらみんなで分けて食べて」と話すと、父親から「いいです、さあ山頂に行くよ」と子供達を小屋外に誘い出す。
鹿児島からのグループ20名以上が数班に分かれて来られ、最後の班という5名と山小屋でしばらく談笑、焼き上がったヤキイモを一個「5名で食べて」と渡すと美味しく食べていただく。
常連の大澤氏が見えてしばらく談笑し出て行かれる。山頂往復してきたS氏が戻り、一緒に囲炉裏を囲み遅めのランチをいただく。
14時35分過ぎに囲炉裏の火を始末し山小屋内を掃除、下山前に北側テラスにてルンゼ方面の枯木を見ると白い鳥らしき物が見え、カメラを取り出しレンズをズームアップするとそこにはハヤブサの姿が見える。
出発前に2階窓を見ると二つとも全開状態「ええ窓まで開けっぱなし」一体誰が山小屋をこんな使い方をしたのか?。
14時40分に下山開始、尾根筋登山道の三叉路手前で廣重氏が小さな声で「柴さん、ハヤブサがいる」、その時私は丁度アカマツの所で、上を見上げることなく前回カメラを構えた場所まで静かに後退りする。
そこで上を見上げると前回止まっていた同じ枝先にハヤブサの姿がある。バックよりカメラを取り出しパチリ撮るが、その後直ぐに飛び立ってしまった。
山小屋を出発する前に北側テラスからルンゼ方面を見た時に遠く離れた枯木の枝先にハヤブサ見えカメラに撮っていた。当初その枯木と同じものだと気が付かなかったが、よくよく考えてみると同じ枯木で同じハヤブサだった。
廣重氏に「ハヤブサは同じ所に長く止まっているの?」と尋ねると「同じ場所に長時間います」とのこと、確かに前回撮影した時も長い間目を楽しませてくれたし、今回も山小屋から三叉路まで移動時間だけでも8分程度はかかっているので、それ以上の時間同じ枝に止まっていたことになる。
第二展望台取付き、岩の上四兄弟取付きで小休止、山頂往復してきたS氏を見ていると少し足元がおぼつかないので「Sさん、象の墓場は次の機会に案内します」と声をかけて、最後の小谷登山道分岐点ベンチにてしばし休憩後登山口までゆっくりと下りる。
16時30分に登山口に下山、本日の無事なる山行と出会いに感謝し山に一礼する。
小谷登山道分岐点から

ヤブツバキ カットされた枝の切口
昔植物学者のレポートでヤブツバキの年輪幅について記述があり
自然の物は0.6㎜、園芸種は1.0㎜ほどてあった。


▼ 廣重氏撮影 ▼
S氏とのツーショット




▲ 廣重氏撮影 ▲
空池底から下りてきたルートを見る
ステンレス三段梯子 横岩壁の亀裂

▼ 廣重氏撮影 ▼
大岩したのステンレス梯子
尾根コース
第二展望台から宮崎平野を望む
ゴム銃の的
突然宮崎市中心地より黒煙が上がる
山小屋囲炉裏誰が?
山小屋の 囲炉裏を乱す 誰の手か 心なき人 吹き抜ける風
囲炉裏に火を

囲炉裏の火を始末し下山

山小屋北側テラスからルンゼ方面を見ると枯木に白いもの
山小屋から撮影

ズームアップするとハヤブサが止まっている

尾根筋登山道の三叉路のアカマツの枯木にハヤブサ真下で撮影
サツマイナモリ開花